【2017年J1クラブ分析】仙台、新システム導入で補強も実施…既存戦力にも刺激

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 2014年4月よりベガルタ仙台の指揮を執る渡邉晋監督は、『Be STRONG』のスローガンのもと、12位に終わった昨季から巻き返しを誓った。より強いチームになるために、監督がチームに求める「球際の強さ」「攻守の切り替えの速さ」「走力」という三原則はそのままに、変化を加えるべきところでは加えている。

 特に大きかったのが、基本フォーメーションを『4−4−2』から『3−4−3』に変えたこと。昨季の終盤に少し練習していたところに、このフォーメーションでの戦いにも適した戦力を補強したことで、指揮官はスタートから『3−4−3』を採用することを決めた。現在の仙台が守備から攻撃に切り替えたときに、パスワークによる攻撃の組み立てをより前の位置でしやすくなるように、立ち位置に変化を加えたものである。チームとしてボールを保持し、相手を押しこむこともできるようになりながら、なかなか得点力に結びつけられなかった反省も、この基本フォーメーション変化の理由のひとつだ。まずは、この新システムのもとで昨季よりもチャンスを作り、勝負強いチームになれるかどうかが大きな注目点だ。

 今季の新戦力は、このシステムに向いた人材がそろっている。DFでは4バックも3バックも経験豊富な増嶋竜也が加わった。前年の主力から渡部博文がヴィッセル神戸に抜けたポジションだが、増嶋は3バックの中央でも両サイドでも実力を発揮してくれるだろう。

 また、DF登録のルーキー・永戸勝也は、「攻撃参加が武器」という特徴を生かせる、左アウトサイドのMFでの起用が見込まれる。同じ左MFでプレーする中野嘉大は、得意のドリブルを発揮する場所として、2列目のシャドーでも出場が可能だ。

 前線では、サンフレッチェ広島や浦和レッズで1トップ2シャドーを経験した石原直樹が加わったことが大きい。最前線でも、少し引いた位置でもプレーが可能だ。そして1トップでセンターにも構えられる平山相太とクリスランにも期待がかかる。この二人は負傷により出遅れてしまったが、その器用さと得点感覚で、シーズンを通して最前線での活躍が期待される。

 彼ら新戦力はもちろん、そうした選手たちに刺激を受けた既存戦力が、新システムの中でどのようなプレーをするのかにも注目したい。これまでよりもゴールに近い位置でプレーできるようになった右サイドの菅井直樹や、シャドーの梁勇基といった選手たちは、新しい挑戦の中で活躍できるか。強くなるための変化を加え、仙台が目指すのは「トップ5」だ。

文=板垣晴朗