【2017年J1クラブ分析─枋甲川体制初の無冠から反撃へ G大阪注目は志願の「10」背負う倉田秋

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『長谷川ガンバ』5年目となる今季は、例年に比べて主力の顔ぶれに動きがあった。中でも2014年の三冠を支えた岩下敬輔、阿部浩之、大森晃太郎の移籍は貢献度を踏まえても大きいが「選手が変わればまた新しいことに取り組める」と長谷川健太監督。

 今季は従来の『4−2−3−1』ではなく『4−3−1−2』のシステムに取り組んでいるのも、新しいことの1つだろう。これは昨季、井手口陽介が目を見張る成長を遂げた中で、遠藤保仁、今野泰幸を共存させ、かつ特徴をそれぞれに活かしながら、より攻撃的なサッカーを実現する上で敷かれたシステムだ。

 事実、今年最初の公式戦となった7日のAFCチャンピオンズリーグ・プレーオフでは、早速、その持ち味を披露。中盤の3人が運動量や対人の強さを発揮しながら、攻撃にかかる人数、回数は明らかに増え、かつ、そこにサイドを効果的に絡ませることで、攻撃サッカーを実現した。ただ、この試合では明らかにならなかったものの、仮にその中盤でボールを奪われることになれば、一気に相手のカウンターにさらされピンチに追いやられるというリスクもある。また中盤の消耗ということを考えても、通年を通してこのシステムを起用するとは考え難い。従来の『4−2−3−1』を含め、場合によってはすでに練習試合でも試した3バックの併用もありそうだ。

 注目は在籍2年目となるアデミウソン。昨季は後半戦こそ能力を見せたものの、前半戦はなかなかチームにフィットしなかった印象だった。結果、J1リーグでは9得点にとどまったが、過去、G大阪が結果を残してきたシーズンを踏まえても『ガンバのエース』たる存在がこの数字では寂しい。今年は1年を通じたコンスタントな活躍を示す中で、最低でも二ケタ得点を期待したい。またその攻撃力の爆発を願えばこそ、予想スタメンでトップ下に配置した倉田秋の活躍も必要不可欠だろう。今年から自ら志願した背番号「10」を背負う副キャプテンは28歳という年齢も含め「ヤットさんや今ちゃんは唯一無二の存在とはいえ、自分たちの世代が中心になっていかなければいけないという自覚もある」と気を吐く。その思いが『明確な数字』につながっていけば間違いなく攻撃は加速する。圧倒的な運動量とドリブルを武器に今季も前線を駆け回ってほしい。

 チームが目指す目標はいうまでもなくタイトル。昨年、『長谷川ガンバ』としては初の無冠に終わった悔しさを糧に、勝利への執念を煮えたぎらせた戦いが始まろうとしている。