iPhoneの礎となったスマホたちがあった!スマホ歴史からiPhone時代の転換期を読み解く【Turning Point】

写真拡大 (全4枚)

今や誰もが普通に使っているiPhone。
だがiPhoneが登場する以前にもスマホと呼べる製品は各社から様々なモデルが市場に現れては消えていった。

栄華盛衰。
iPhone誕生から10年を迎える今年、iPhoneの礎となり、生まれて消えていったスマホを振り返ってみよう。

日本で初めてiPhoneが発売になったのは、2008年7月、ソフトバンクから登場した「iPhone 3G」だった。
アメリカでは、前年に登場した初代「iPhone」が熱狂的な人気となっていた、
そうした背景もあり、日本でもあっという間にiPhoneフィーバーが巻き起こったことは記憶に新しい。
その後、iPhoneはドコモやKDDIからも販売されるようになり、現在では日本人の国民機と言えるほど普及するに至っている。

だがiPhoneは世界で最初のスマホ製品でない。
たとえばiPhone以前、日本にはiモードケータイがあり、だれもが自由にインターネットやアプリを楽しめる環境にあった。
ちなみにiモードは1999年2月にスタート。サービスインからちょうど今年で17年目となる。iモードケータイの出荷は2016年末で在庫限りとなり、新規モードケータイの生産も終了している。

日本にはiモードがあった。そのためiPhoneの前にスマホと呼べる存在は無かったかのような印象を受ける。

だがiPhoneは急に登場したのではなく、iPhoneが登場するまでには、ほかのメーカーから様々なスマホが販売されていた。今やスマホといえばグーグルのAndroidスマホが世界で圧倒的なシェアを握っているが、10年以上前は別のスマホが世界中で使われていたのだ。

iPhone以前のスマホと言えば、Symbian(シンビアン)OSを搭載した製品を指していた。
日本でもいくつかの製品が販売され、ノキアのスマホとして有名だった。
ノキアのスマホはアプリを自由にインストール可能で、iモードサイトではなく、パソコンと同じインターネットのWEBサイトをそのまま閲覧可能など、今のスマホの元祖とも言える存在だったのだ。


ノキアのSymbianスマホは日本でも販売された。アプリを入れたり、インターネット利用したりできた


日本ではVodafone 702NKが2004年12月に登場。
ネットから落としたアプリを自由に入れることができるだけではなく、本体をカスタマイズできたりする、遊べるガジェットとしてマニアを中心に大きな人気モデルとなった。
ただし今のスマホとは異なり、画面はタッチできず、十字方向キーでしか操作できなかった。それでも当時のiモードケータイに飽き足らないユーザーを中心に大きな支持を受けたのだ。

またSymbian OSにはタッチ画面にも対応したバージョンもあった。
ドコモからモトローラ製のFOMA M1000として2005年11月に発売されたモデルがそれだ。
とはいえ現在のiPhoneのような指先タッチ式ではなく、スタイラスペンを使う操作方法だったため、操作性はあまり快適なものではなかった。
手書き文字入力などビジネス用途には向いていたが、一般ユーザーの購買欲を繁樹するほどの人気製品とはなれなかったのが残念だ。

同じSymbian OSのスマホは、海外ではモトローラよりも、ソニー・エリクソン(現ソニーモバイル)のモデルのほうが人気を集めていた。
当時のソニー・エリクソン製のモデルは、映画「007」シリーズの小道具としても使われるほど、使い勝手だけではなく「デザイン性」の良さで、ノキアやモトローラ製品を上回っていたのだ。


モトローラやソニー・エリクソンからもSymbianタッチパネルスマホが出ていた


さて世界市場で成功したSymbianスマホに対応していたのが、マイクロソフトのWindows Mobileスマホだ。

Windows Mobileスマホは、日本のメーカーも参入し、国内ではヒット商品となる製品も多く輩出された。
中でも2005年12月に発売されたW-ZERO3は、大型タッチパネルを搭載しながらも、本体をスライドさせるとフルキーボードが登場するギミックで、大きな話題と人気を集めたモデルだ。

W-ZERO3はビジネス用途だけではなく、プライベート用途でも人気となった。
その後は本体をスリムにして女性向けにした製品も登場するなど、5年間で5モデルが発売され、日本を代表するスマホと言える存在となったのだ。

この2つのOSの間に割って入るように、当時、人気を集めていたのが別のスマホだ。縦型デザインでフルキーボードを搭載したブラックベリーである。
ブラックベリーは一時期、世界中のビジネスマンがこぞって愛用し、「ブラックベリー無しでは仕事ができない」とまで言われたスマホだ。


フルキーボード搭載のブラックベリーはiPhoneの登場以降も人気は続いた


ちなみにiPhoneからメールを送ると、本文の最後に「iPhoneから送信」という文字が自動で挿入される。
実は、この手の著名はブラックベリーが元祖なのだ。
ブラックベリーからのメールの著名は、「外出先から急いで送った」という意味合いを相手に知らしめたものだった。
そして当時のブラックベリー人気から、似たスタイルのスマホは、東芝やサムスンなど多くのメーカーから登場していた。

しかし、iPhoneが登場すると世界は一変する。
タッチ操作での対応遅れからSymbian OSは急激にシェアを失っていった。フルキーボードを搭載したスマホもシェアは落としていくが、ビジネス用途がメインということもあり、iPhone後も製品を継続していく。しかしブラックベリーもスマホの製造を2016年いっぱいで終了し、アルカテルブランドのスマホを出すTCLが製品を継続して出すこととなった。

そして世界のスマホ市場を牽引してきたiPhoneを中心とする時代から、ファーウェイやASUSなど新しい勢力によるAndroidスマホと共存して牽引する時代へと推移しはじめている。

今年はiPhone誕生から10周年となる。iPhone以前のスマホは、当時を知る者にとっては、懐かしいものばかりで、当時を知らない者にとっては、その多様性が新鮮に映るだろう。

そして、これから先の未来は、iPhoneを超えるスマホたちが新興メーカーにより次々と登場する時代を迎えるのかもしれない。

2017年は、スマホ市場にとって、転換期とあるスマホが登場するのか、楽しみである。


山根康宏