毎週木曜19時放送のプレバト(MBS制作)。先週、俳句に挑戦したのは、峯村リエ、田山涼成、田中道子、原西孝幸(FUJIWARA)、河合郁人(A.B.C-Z)の5人。才能アリの分布は、才能アリ1人、凡人1人、才能ナシ3人。辛口先生こと、夏井いつき先生が「失敗例の見本市」と例えるほど低調な結果に。


失敗例の見本市


今回のお題は「つくしと富士山」

最初は、2連続で才能アリを獲得したことのある河合郁人の句。

春晴れを見る富士を見る筆の花

筆の花とはつくしの事。このつくしが富士山を見ているという句だ。「見る、見る」というリフレインを使っている所を夏井先生は褒める。しかし、実力がない人に限って「筆の花」というかっこいい言葉を使いがちと、厳しい一言。それでも評価は2位を獲得、50点、凡人。

つくしんぼ青空を見る富士を見る

確かにわかりやすくスッキリしている上に、リフレインも心地よく聞こえる。これが背伸びをしない句ということなのだろう。

続いては、「真田丸」の好演記憶に新しい女優の峯村リエの作品。

青と白緑に茶色春の色

発表された瞬間大きめの笑いが生まれたこの句。夏井先生は「ギリギリ意味はわかるが、発想がいかにも幼稚、将来性の無い才能ナシ」と言いたい放題だ。評価は、3位、35点、才能ナシだ。

青白茶緑それぞれ春の色

「私に出来るのはこれぐらい」と、夏井先生がギブアップとも取れるコメントを残して添削した句がこれだ。珍しく納得もいっていなそうだった。それでも、“それぞれ”という言葉により情緒が生まれているのはさすがだ。

父が教師で毎日本を読んでいるという田中道子の一句。

土筆野や富士雪雲(ふじゆきぐみ)に重ね風

富士山の雪が雲のように見え、それを溶かす風を送ってあげたいという一句。「富士雪雲をどう読んでいいのかわからない。重ね風の意味わからない」と、夏井先生は言う。確かにすごく“っぽい”句にはなっているが、内容は詰め込み過ぎてなんだかよくわからない。さきほどの“将来性の無い才能ナシ”よりも評価が低い4位、32点、才能ナシ。

土筆野や雲めく富士の雪へ風

“へ”と入れる事によって、風を送りたいという気持ちが伝わる句になった。それでも“ギリギリ伝わる”と表現した夏井先生。何かのインタビューで「添削しづらいのは内容がよくわからない句」と答えていたが、こういう句の事を言っているのかもしれない。

そしてIQが135もあるという原西孝之の句

つくしんぼ誇り望みしさくやひめ

つくしが日本神話に登場する女神であるさくやひめにアピールしている姿を詠んだという一句。しかし、夏井先生は「誇り望みし」は「さくやひめ」にかかっているので、意味が通じていないと説明。確かにさくやひめがつくしを誇っているように聞こえてしまう。さらに「つくしはさくやひめに恋している」と続ける原西。しかし、残念ながらそれもこの句からは伝わらない。5位、30点、才能ナシ。

さくやひめ恋うてつくしは背を伸ばす

内容がわかるようになった上に、つくしが張り切っている姿も想像できる。もはや、別の句に生まれ変わった。しかし、句からは何も伝わらなくても、詠んだ本人から意思を込めていれば、夏井先生は楽しそうに添削をする。

“無理してかっこいい言葉を使ってしまう”“発想が幼稚”“詰め込み過ぎて内容がわからなくなる”“まず、日本語として意味が通じない”というこの4点が、失敗の見本市と称された今回の問題点だったようだ。その中でも、まずは内容がわかるように詠むのが大事という事が、順位や点数から伝わってくる。

最後に1位、70点、才能アリ、の田山涼成の句。

土手青む朝の散歩の足運び

春が来て散歩のウキウキ気分が伝わってくる句だ。なるほど。確かに4点ともクリアしているように感じる。

(沢野奈津夫)