小池都知事

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2020年東京五輪をめぐり、またしても「大山鳴動ネズミ一匹」が繰り返されました。

22日、就任以来初の施政方針演説にのぞんだ東京都小池都知事は、懸案となっていた都外施設の仮設整備費について「他の自治体が所有する施設を含め、都も負担することを排除せず、検討するよう事務方に指示をいたしました」という表現で、都が負担する意向を表明したのです。

「排除せず」という引きつづき国・他自治体の費用負担を期待する表現ではありますが、小池都知事の思惑からは大きく後退。事実上「仮設整備費は都が負担」という形での決着となりました。

しかし、これは大会招致時点からまったく変わっていない本来の方針に戻っただけのこと。実行部隊である組織委員会でまかないきれないだけの費用が発生した場合、主催者である開催都市がその穴埋めをするのは当たり前の話。国際オリンピック委員会に対しても約束済みの内容ですし、他の自治体が一部開催を受け入れるにあたっても「仮設整備費は都が負担する」と認識していたからこそ了承を得られたのです。

「都が仮設整備費を受け入れる」のではなく、「他自治体が一部開催を受け入れてくれた」という構造なのです。

これまでに積み上げた約束事や計画を反故にすることから始め、最終的にどうにもならないことを悟って元のさやに戻る。就任以降、小池都知事が繰り返してきた大山鳴動ネズミ一匹的な政治手法は、無駄な停滞をまねくばかりです。五輪関連の案件で言えば、仮設整備費負担の問題しかり、会場新設問題しかり、小池都知事が就任してからの半年は「小池都知事の思いつき」を諌め、諦めさせ、元の計画に戻すことに費やされました。

「一歩前に進める」とは小池都知事の弁ですが、とうの昔に踏み出していた一歩を大騒ぎしてひっこめさせ、もう一度同じ場所まで進んだだけのことを自らの政治的成果のように語るのはいかがなものか。「無駄を失くせ!」と騒いだこと自体が無駄という、ひとり相撲を止めて、真に前に進む一歩を早く踏み出してもらいたいものです。東京五輪まであと3年半、無駄にした半年の7倍ほどしか時間は残っていないのですから。

(文=フモフモ編集長 http://blog.livedoor.jp/vitaminw/)