22日深夜放送、フジテレビ「村上信五とスポーツの神様たち」では、元サッカー日本代表・武田修宏氏やお笑い芸人・ヒデ(ペナルティ)をゲストに招き、一見“ラッキーゴール”と思われてしまう、通称「ごっつぁんゴール」の裏に隠された選手の技術や努力を伝えた。

「もともと“ごっつぁんゴール”というのは、高校サッカー選手権の第62回大会で、僕が1年生で得点王になった時に、ゴール前の“ごっつぁんゴール”ってところからはじまった。まだプロがない時代」

こう切り出した武田氏は、“ごっつぁんゴール”のルーツは自分にあるとアピール、番組のブレーンで様々なスポーツに精通する色摩茂雄氏も「まだ日本サッカーに“オフ・ザ・ボール”という言葉がなかった時、僕らもボールを追っかけて見てましたし。もしかしたら日本サッカーの選手自体も、ボールのない動きが浸透してなかった時代。もう10年遅く武田さんが生まれてきてたら、それこそ“ゴールの嗅覚があるストライカー”って言われていたかも」と同調した。

すると、番組では、過去の“名ごっつぁんゴール”を紹介。まずは、マイアミの奇跡(1996年のアトランタ五輪:日本対ブラジル)と呼ばれる日本の勝利から、後半27分に伊東輝悦が決めた歴史的な一撃を挙げた。

このゴールは、ブラジルのゴールキーパーとディフェンダーが交錯し、転がってきたボールを伊東が押し込む格好となったが、武田氏は「あそこに走ってることがすごい」と絶賛。ヒデも「実際に、あのスプリントは13秒、80mを一気に走って狙ってた」などと“狙ったゴール”であったことを力説した。

また、過去の“ごっつぁんゴール”に5段階評価をつけた同番組は、2016年3月、サンフレッチェ広島・佐藤寿人が、名古屋グランパス戦で決めたゴールに満点評価を与えた。この時のゴールは、ミキッチの折り返したボールを柴崎晃誠がシュートするも、ゴール前にいた佐藤に当たってボールの軌道が変わったというものだ。

村上は「神様に愛されたゴール」と形容したが、武田氏は「あそこにくると思って、あそこでコースを変えようという考えでポジショニングとってます」とキッパリ。佐藤本人も「当たった瞬間に僕のゴール(当初は、柴崎のゴールとアナウンスされた)だと思った」と語っていたという。

「ワンシーズンでいい動きをして結果が0点と、どんな下手な動きでも15点獲ったとなったら、15点獲ったほうが評価される」などと、FWの真髄を語った武田氏は「賞賛されるか、罵倒されるか、どっちか」とも。

“ごっつぁんゴール”については、ヒデから「“ここに(ボールが)こぼれてくるかも?”という感覚?」と訊かれると、「右足の力が強い選手がシュート打った場合、ダフったらこっちにくるなとか、身長の高い選手が競ったら、裏に流れちゃうなとか。一瞬の判断だったり、選手のデータだったり」と答えた武田氏。「一瞬のひらめき」が大切としながらも、「常に点を獲るためにどうするのか。周りをうまく使いながら選手を見ながら考えます」と続けた。