三井住友アセットマネジメントが設定・運用する「アジア好利回りリート・ファンド」がモーニングスター アワード ファンド オブ ザ イヤー2016の「REIT型部門」で最優秀ファンド賞を受賞した。同ファンドの特徴について、三井住友アセットマネジメント株式運用グループ シニアファンドマネージャー REIT担当の秋山悦朗氏(写真)に聞いた。

写真拡大

 三井住友アセットマネジメントが設定・運用する「アジア好利回りリート・ファンド」がモーニングスター アワード ファンド オブ ザ イヤー2016の「REIT型部門」で最優秀ファンド賞を受賞した。過去3年間のトータルリターン、シャープレシオは、いずれもアジア・オセアニアリートの平均以上の運用実績で、3年保有では全期間プラスの成績になる安定感に加え、自社ネットワークを活用して海外REIT運用を行っている運用体制も評価されている。同ファンドの特徴について、三井住友アセットマネジメント株式運用グループ シニアファンドマネージャー REIT担当の秋山悦朗氏(写真)に聞いた。
  
――ファンドが投資するアジアリートの魅力は?
  
 不動産投資は、インフレの国で行うことが王道だ。成熟した先進国では景気循環が起こるので、不動産に投資するタイミングを考える必要もあるが、インフレの国であれば、インフレ率にともなって家賃が値上がりし、また、シクリカル・グロース(循環しながらも徐々に拡大成長する)で中・長期的な成長が実現する。
  
 日本人は、デフレに慣れ、インフレを忘れてしまっているので、少しの値上がりで売却を考えるなど、短期志向になってしまっている。このため、インフレの国での資産運用のイメージがつかみにくくなっている。たとえば、配当利回り年率5%が20年続くと考えると、20年後には受け取った配当だけで元本が確保できる計算だ。このような投資がアジアリートへの投資だ。不要不急のお金で20年間くらいの長期でじっくり保有するつもりで投資をすると、大きな果実につながると思う。
  
 また、長期の投資に耐えられるほど、アジアリートの財務体質が良いこともポイントの1つ。現在、新興国への投資は、米国の金利上昇によって借入コストが上がって経営が厳しくなるのではないかという心配があるかもしれないが、実際には、アジアリートの負債比率は30%台と、日米が50%を超えていることと比較して小さい。このため、金利上昇の影響が穏やかになる。
  
 そして、アジアリートは相対的に経営の質が高い。たとえば、シンガポールのリートは、市場が発足した当初は、リートが早くから発達したオーストラリアのリートと提携し、経営を学んで成長したという経緯もあり、早くからグローバル・ベースの経営を取り込んでいる。負債の管理、不動産ポートフォリオの組み方、そして、テナントの入れ替えなどによる内部成長への取り組みなど、Jリートと同等か、もしくは、より進んだ手法を取り入れて経営に活かしている。これは、私どもが2007年以来、毎年、ワン・オン・ワン(1対1)のミーティングを重ね、理解を深めるにつけ、実感を深くしてきたことだ。投資に十分値するという思いが強い。
  
 たとえば、ファンドで組み入れている銘柄の1つである香港の「リンク・リート」は、05年11月に上場したが、負債比率は20%台に抑えられ、上場後10年にわたって毎年10%増配を実施している。リート価格は上場時の10.35香港ドルが直近では50香港ドルを超えている。リート価格の上昇に見合った収益の伸びがあるため、価格が10年で5倍程度に値上がりしても割高感を感じない。意外かもしれないが、このような世界的にみても優等生といえるような銘柄が存在するのが、アジアリートの魅力といえる。
  
――今回の最優秀賞の授賞理由の一つに、インハウスの運用体制が充実していることがあげられている。現在の運用体制は?
  
 リートを専任としたファンドマネージャー3名とアナリスト4名が一体となったチームにより、日本を含むアジア・オセアニア地域のリート市場を調査している。カバレッジしているのは、ファンドの主要投資対象市場であるシンガポール、香港、マレーシア、オーストラリア等で、時価総額ベースで投資対象市場の95%程度を網羅している。