<就任1カ月が経ったトランプに新たな火種。「ゴルフ外交」や家族の警備に莫大な額の税金が投じられている>

貧しい白人労働者の声を代弁して米大統領選に勝ち、大統領に就任したドナルド・トランプだが、もちろん本人は大金持ち。節約とは無縁の生活を送ってきた。

就任から1カ月が経ち、その散財ぶりに今、注目が集まり始めている。「トランプはゴルフをしすぎ」と批判されているのだ。

2月11日の土曜日には日本の安倍晋三首相と一緒に27ホールを回った。19日の日曜日には男子ゴルフの世界3位、ロリー・マキロイとラウンドしている。いずれもフロリダ州パームビーチに自ら所有する高級ゴルフリゾート「マー・ア・ラゴ」でだ。

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大統領なのに遊びすぎだとか、そういう類の批判ではない。問題は使われる税金の額だ。

トランプは就任1カ月ですでに3回、週末をフロリダ州で過ごしている。大統領だから、移動は専用機のエアフォースワンだ。ワシントン・ポストによれば、警備の費用も含め、この3回の週末フロリダ滞在で推定1000万ドル(約11億3000万円)という莫大な経費がかかっているという。

同紙は他にも、トランプ一家にどれだけの税金が使われているかを列挙している。

トランプの長男ドナルド・ジュニアと次男エリックがゴルフリゾート開業式典のためにアラブ首長国連邦に飛んだ際、シークレットサービスを帯同していたこと。大統領夫人のメラニアが三男バロンと暮らすマンハッタンのトランプ・タワーは、ニューヨーク市警が警護していること(推定で1日50万ドル)。フロリダ州のパームビーチ郡は大統領滞在のたびに警備や交通整理で1日数万ドルを費やしていること(郡当局はホワイトハウスに賠償を求める方針だという)。

行政監視団体ジュディシャル・ウオッチによれば、前大統領バラク・オバマの「旅費」は在任8年間で約9700万ドルだった。この調子でいけば、トランプは1年も経たないうちにオバマを追い抜くことになる。

オバマは休暇を取りすぎだ、税金が何百万ドルも使われている、重大な課題を放り出してゴルフばかりしている、と繰り返し批判していたのはトランプその人だ。ポリティコによれば、昨年8月のバージニア州の選挙集会ではこうも言っていた。「私はあなたたちのために働く。ゴルフをする時間などなくなる」

高まる批判について今週、ホワイトハウスの広報官はワシントン・ポストの取材にこう答えた。「大統領はマー・ア・ラゴで休暇を過ごしているのではない」「どこにいようと、ノンストップで毎日働いている」

プロゴルファーとのゴルフも仕事なのだろうか。

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部