管理栄養士が伝授!運動をもっと効果的にする食事法

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スポーツ庁が、2015年度『体力・運動能力調査』の結果を公表しました。それによると、30歳代女性の体力が低下しており、女性は20代以降は運動から遠ざかる傾向があることが明らかになりました。

運動をすると筋肉がついて体が引き締まり、それに伴って基礎代謝も上がります。汗とともに老廃物も排出されるので、肌もつややかになる人が多いようです。食事もおいしくなるし、ストレス発散もできる。運動はいいことずくめだと筆者は考えます。

そこで今回は管理栄養士でありランナーでもある筆者が、運動をもっと効果的にする食事についてご紹介します。

主食を食べましょう

主食は必ず食べましょう。糖質は、車に例えるとガソリンの役目があります。ガソリンがないと、車は走れませんよね。糖質が不足すると体が飢餓状態になり、せっかく運動をしても筋肉がつきにくくなります。

ご飯なら、最低でも一膳は食べるようにしましょう。パンの場合は、菓子パンは避けましょう。脂肪が多いため体脂肪になりやすくなります。

麺類は喉越しがよいため、咀嚼回数が少なくなりがち。一口10回余分に噛むよう意識して食べることで、内臓への負担を軽くすることができます。

たんぱく質は肉や魚から摂取がお勧め

たんぱく質といえば肉や魚をまずイメージする方も多いでしょう。しかし体重を落としたいから肉は食べない、代わりに豆腐や乳製品という人がいます。ここで、一回に食べる量で考えてみましょう。

肉(80g)、魚(80g)、豆腐(100g※ 1/4丁)、牛乳(200cc)のいずれかを食べるとします。このとき、肉、魚のたんぱく質は種類によって差はあるものの約15〜20g、豆腐、牛乳は6g程度が一般的です。豆腐や牛乳の摂取量を増やすと一度に食べるには難しい量になってしまいます。以上のような理由から、昼と夕は肉か魚料理をいただくことを筆者はおすすめします。

たんぱく質は筋肉や皮膚、血液を作ります。不足すると疲れがとれにくい、貧血になりやすくなります。忙しくて食事を簡単に済ませがちだという方は、特に運動後は、肉か魚料理を食べるようにしましょう。

運動前に気を付けたいこと

食物繊維は運動中に腸内ガスが溜まって運動の妨げになったり、消化に時間がかかる場合があります。食物繊維の多い食品は、さつまいも、ごぼう、オクラ、えのきたけ、おから、大豆、キウイなど。運動前は多量に食べることは控えましょう。

また、カフェインは利尿作用があります。コーヒーや玉露は運動前には気をつけたい飲み物です。そして食事は運動の2時間前までに済ませましょう。

いかがでしたか? 食事は運動の土台となるもの。食べ物が消化され、血液にのって体の隅々まで栄養素が行き渡っていると、よりあなたのパフォーマンスを引き出すことができますよ。

【参考】

※ 日本健康運動研究所/高齢者の体力が向上 女性は運動不足の傾向 【体力・運動能力調査】

【画像】

※ Nopparatz / Shutterstock

【筆者略歴】

管理栄養士ランナー*みぽ

1985年、岡山県生まれ。武庫川女子大学卒業。病院に勤務する管理栄養士。高校生の栄養サポートもしている。趣味はマラソンで国際マラソンにも出場。結婚後は家事、仕事の両立を目標にランニングを楽しんでいる。