“自由奔放なヒロイン”を演じたアリシア&ヴィヴィアン
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 マイケル・ファスベンダーとアリシア・ヴィキャンデルが夫婦を演じた映画『光をくれた人』でメガホンを取ったデレク・シアンフランス監督が、本作のキャスティングでアリシアを抜てきするまでの秘話を明かした。

 『ブルーバレンタイン』のシアンフランス監督が、世界的ベストセラー「海を照らす光」を映画化した本作。過ちと知りながらも他人の子供を自分の娘として育てようとする灯台守の夫婦トムとイザベルの愛と葛藤の日々を描いた感動作だ。

 『SHAME -シェイム-』『それでも夜は明ける』『スティーブ・ジョブズ』などでファスベンダーの圧倒的な存在感に魅せられてきたシアンフランス監督は、脚本を書きながら、彼こそトム役にぴったりだと感じていたという。実際にファスベンダーに会い、彼ならば善悪と愛の間で揺れ動く難役を演じ切れると確信を持ったそう。

 一方、トム役とは正反対に、衝動的で感情のままに行動するイザベル役のキャスティングは難航。戦争の英雄として帰国したものの、心に深い傷を負っていたトムが、再び心を開くきっかけになるのが、美しく芯の強いイザベルとの出会いだ。トムがすべての愛情を捧げたいと思うほどに魅力的で、ときに無謀かつ激情的な部分を持ち合わせたイザベルは非常に複雑なキャラクターだった。シアンフランス監督は、その役柄を深く掘り下げられる女優を探し求め、多くの女優と会ったが、望むような女優は現れず。

 キャスティングディレクターには「『風と共に去りぬ』のヴィヴィアン・リー、『こわれゆく女』のジーナ・ローランズ、『奇跡の海』のエミリー・ワトソンのような女優を探している」と映画史に名を刻む名女優たちを引き合いに出し、イザベル役の女優を探してほしいと難題を出したそう。それに対し、キャスティングディレクターは「アリシア・ヴィキャンデルに会うべきだ」と返答したそう。その後『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』を薦められて観るまでアリシアの事を知らなかったものの、会ってみてわずか4時間のセッションだけでアリシアをイザベル役に抜てき。

 「彼女の素晴らしく向こう見ずで自由奔放な演技は、イザベルの無邪気で無鉄砲さそのままで、私はすぐに彼女こそイザベルにぴったりだと思った。あれほど傷つきやすくてオープンで快活で勇敢な女性を演じられる女優を知らなかった。すっかり虜になったよ。そして、彼女とマイケルはきっと相性がいいと直感したんだ」と振り返るシアンフランス監督。その後ほどなくして、アリシアは『エクス・マキナ』で注目を浴び、ついには『リリーのすべて』でアカデミー賞助演女優賞を受賞することになる。アリシアの才能と、さらにはマイケルとの相性の良さまでも言及していたシアンフランス監督の鑑識眼はお見事といったところで、2人は本作での共演をきっかけにプライベートで交際を開始している。(編集部・石神恵美子)

映画『光をくれた人』は3月31日TOHOシネマズシャンテほか全国公開