10円硬貨の絵柄で知られる世界遺産の鳳凰堂。池の中島に建てられた姿は、極楽の宝池に浮かぶ宮殿のよう/平等院

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古くからお茶どころとして知られる京都の宇治エリア。源氏物語「宇治十帖」の舞台になったことでも有名だ。

【写真を見る】2階建ての古民家の母屋を改装し、老舗の風格漂う建物に/辻利 宇治本店

10円硬貨の絵柄でもお馴染みの「平等院」は、世界遺産に登録されている寺院。1052年に藤原頼通が父の道長の別荘を寺院に改めたもので、平安時代の建造物や仏像の多くが今に伝えられている。境内にある「平等院ミュージアム」では、鳳凰や梵鐘などの宝物を見学できる。

同じく世界遺産に登録されている「宇治上神社」は、現存する最古の神社建築が残るほか、鎌倉時代に建てられた春日神社などの摂社や、宇治七銘水の一つである「桐原水」など、見どころが多い。ほかにも、アジサイで有名な「三室戸寺」(写真)や中国から伝わった精進料理・普茶料理で知られる「萬福寺」など、歴史ある寺社が点在している。

国内で唯一の源氏物語に関する博物館「宇治市源氏物語ミュージアム」では、源氏物語の魅力やあらすじをハイビジョン映像で紹介するほか、光源氏の邸宅を復元した模型や平安時代の王朝文化を知ることができる装束や調度品などが展示されている。

上質な宇治抹茶を満喫できるのもこのエリアの魅力。市営茶室の「対鳳庵」では、季節のお菓子が添えられたお点前を体験できる。初心者でも気軽に利用できるのがうれしい。「伊藤久右衛門」をはじめ、「中村藤吉」や「辻利」(写真)など、香り豊かな宇治抹茶を使ったスイーツを提供する甘味処やカフェも多いので、ぜひ立ち寄ろう。お土産は香り豊かな宇治抹茶や煎茶が人気。

宇治までは京都市内から電車で30〜40分ほどかかる。1日目は京都市内を巡り、2日目に宇治エリアに足を延ばすなど、ゆとりを持ったスケジュールを組むのがおすすめだ。【関西ウォーカー編集部/油井康子】