健康的だし経済的

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社員食堂は企業が従業員に提供する福利厚生サービスの一つですが、就職・転職の立派な判断材料にしてもいいかもしれません。社員食堂のある企業で働くべき理由をまとめました。

「早い・安い・旨い」ですぐ履歴書提出?

1. 節約できる! プレミアムフライデー対応も

ネオマーケティングが2015年に実施したアンケートによると、社員食堂を利用する人は、「値段が安いから」(67%)、「外で食べるのが面倒だから」(33%)、「外に買いに行くのが面倒だから」(31.6%)という理由を挙げていました。「安い」「早い」が社員食堂の最大の魅力です。これに「旨い」がプラスされていれば、文句なしですね。

社員食堂といえば、長時間労働の社員をねぎらう目的とも取れますが、実は、労働時間の短縮が課題になっている現代こそ、重宝するかもしれません。

2017年2月からスタートするプレミアムフライデー。月末最後の金曜日、仕事が3時ごろに終わって、自由な時間が増えるのは嬉しいことですが、ほかの日に仕事量がシワ寄せされるのではないか、出費が増えるのではないかという声があるのも事実。移動に時間がかからず、値段の安い社員食堂は、そんな心配を軽くしてくれそうです。

そもそも、社員食堂がある時点で、その企業は福利厚生意識が高く、運営にコストをさく体力がある証拠です。近年は、単なる福利厚生目的ではなく、ブランディングや仕事のモチベーションアップにつなげる事例が目立っています。

社員食堂のある企業は将来性あり

2. 優秀な同僚に恵まれる可能性大

社員食堂をオープンした、リニューアルしたという情報をメディアにリリースする企業は少なくありません。

体脂肪計など健康に関わる商品を提供するタニタは、まさに社員食堂がきっかけでブランディングに成功した事例。2015年には、日経リサーチの「企業ブランド大賞」を受賞しました。

ワークポートが2015年に20〜40代男女に実施した「転職希望者の意識調査」によると、転職先の職場にあったら「志望度が上がる!」と思う施設の1位が「社員食堂」(28%)でした。2位も「社内カフェ」(19%)と、飲食施設が上位にランクイン。

社員の胃袋を掴む企業は、優秀な人材が集まりやすいのかもしれません。外食や弁当と違い、カロリーや栄養バランスを管理しやすく、健康面も安心。将来性も期待してしまいますね。

3. ユニーク発想で業績アップ

業績にプラス効果をもたらしそうな新たな役割を社員食堂に見出した企業もあります。ユニークな取り組みを3つ紹介しましょう。

◆株価次第でリッチにも質素にもなる食堂 日清食品

日清食品の東京本社には、株価連動型の社員食堂「KABUTERIA(カブテリア)」があります。月末に株価の終値が出るまでドキドキ。前月の月平均株価を上回れば、翌月はマグロの解体ショーなど豪華なイベントやメニューが登場する「ご褒美デー」が、下回れば質素なメニューの「お目玉デー」がそれぞれ2日間設けられるそう。

これなら仕事に権限を持たない新人社員でも、自社の株価が気になりますよね。

◆自由すぎる社員食堂 クックパッド

クックパッドの社員食堂には、メニュー表や配膳トレーがありません。あるのは、巨大なキッチン設備。料理をしたい社員が、好きなメニューを作る「まかない制度」があるのです。材料費は会社が負担、自社サイトの投稿レシピを参考に作ります。

ユーザーの気持ちになれるので、サービスの改善やアイデアが生まれそうですね。

◆あえての社員食堂なし キリン

キリンは、社員食堂をあえて持っていません。飲食店と取引する飲料メーカーとして、従業員は普段から積極的に外食をするべきという考えによるもの。

そのため、本社にあるのは大量のテーブルと椅子が並ぶ「NAGOMI(ナゴミ)」と名付けられたマルチスペースです。ここで、お弁当を食べるのはもちろんOK。他には、研修や会議、宴会などにも使われるそうです。

社員食堂は、社内の雰囲気を掴む絶好のチェックポイントです。社外の一般人も利用できる食堂なら、どんどん訪問したいもの。中には、おじさん社員ばかりが利用していて、実は女性や若手がほとんど利用していないというケースもあります。企業訪問のアポ取りをする際は、ランチタイムの近くを希望するのがいいかもしれません。