インドでIT産業が栄えた「3つの地理的背景」

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「経済×地理」で、ニュースの“本質”が見えてくる!仕事に効く「教養としての地理」

地理とは、農業や工業、貿易、交通、人口、宗教、言語にいたるまで、現代世界の「ありとあらゆる分野」を学ぶ学問です。

地理なくして、経済を語ることはできません。

最新刊『経済は地理から学べ!』の著者、宮路秀作氏に語ってもらいます。

 近年、日本における在留インド人が増加傾向にあります。法務省の在留外国人統計によると、2006年時に1万8906人だったのに対し(当時は登録外国人統計)、2015年には2万8047人。この10年で、在留インド人が約1万人増加したことになります。

 目的は何か?内訳をみると、最も多いのが「家族滞在」ですが、次いで、「技術・人文知識・国際業務」「技能」と続きます。在留インド人に多いのはIT技術者のようです。

インドでIT産業が発達した理由(1)時差

 インドは、国土の中央部を東経80度が通過します。そのため、西経100度付近との時差が12時間です。西経100度は、アメリカ合衆国テキサス州を中心に発展したシリコンプレーンと呼ばれる先端技術産業の集積地を通過します。また西経120度となると、カリフォルニア州を中心に発展したシリコンバレーを通過します。

 つまりインドは、アメリカ合衆国とほぼ12時間の時差があるわけです。そのため、シリコンプレーンやシリコンバレーで開発されているソフトウェアを、夜にインドへ送れば、朝を迎えたインドで開発の続きを進めることができます。

インドでIT産業が発達した理由(2)言語

 歴史をひもとくと、インドはかつてイギリスの植民地支配を受けていました。そのため英語を準公用語としています。連邦公用語としてヒンディー語がありますが、国民の41%しか話せないため、英語が広く共通言語として使用されています。

 やはり、アメリカ合衆国と同じく英語を使用できるという点は見逃せません。イギリス植民地時代は、インドにとっては苦い記憶かもしれませんが、くしくも旧宗主国の言語が、現代のインドのソフトウェア産業発展の原動力となっているのです。

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