20日、韓国で「清らかな湖畔の街」のキャッチフレーズで知られる江原道春川が、「全国で最も空気が汚い街」に4年連続で選ばれてしまった。写真は「冬のソナタ」のロケ地、春川市の南怡島。

写真拡大

2017年2月20日、韓国・ハンギョレ新聞によると、韓国で「清らかな湖畔の街」のキャッチフレーズで知られる江原道(カンウォンド)春川(チュンチョン)が、「全国で最も空気が汚い街」に4年連続で選ばれてしまった。人口が集中する首都圏や産業団地を抱えた都市と比べてなぜ春川の空気がそれほどまでに汚いのか、専門家らも原因をつかめずにいる。

韓国国立環境科学院が15年に、全国32地点で発がん性物質を含む多環芳香族炭化水素(PAHs)の大気中の濃度を観測した結果、春川は7種のPAHsの年平均濃度合計が1立方メートル当たり4.67ナノグラムで、全国平均(2.20ナノグラム)の2倍を超え最も高かった。同院は12年から毎年測定を行っているが、春川は開始以来「不動の1位」となっている。

中でも発がん性物質ベンゾピレンの濃度が際立って高く、1立方メートル当たり0.69ナノグラムで、火力発電所や工場が立ち並ぶ麗水(ヨス)市の4倍、交通量が圧倒的に多いソウル駅前の2.6倍に達している。これは、英国の環境基準値の2倍を超える数値でもある。

この測定結果には、春川を管轄する江原道保健環境研究院のほか国の機関の関係者らも首をかしげるばかりで、いまだ詳しい調査が行われず、原因も把握されていない。春川といえば昔から湖が広がる自然豊かな街として知られ、ソウルなど都心に暮らす人たちにとっては週末のレジャーにぴったりの地だ。日本での韓流ブームの火付け役となったドラマ「冬のソナタ」の舞台に選ばれたのも、そうした環境があってのことだろう。江原道庁を擁する都市ではあるものの、測定器が設置されている碩士(ソクサ)洞は中心街からは距離がある。この結果は、多くの専門家にとっても予想もしないものだったのだ。

こうした中、「地元では敏感な問題なので」として匿名を希望したある大学教授は、春川に多い炭火焼きの飲食店がPAHsの主要排出源と指摘した。春川には、牛肉や豚肉の炭火焼きの店はもちろん、地元の名物料理「タッカルビ」(鶏肉の辛味炒め)の専門店が多い。これに盆地という地形的な特性も加わって、街で発生した汚染物質や風で外部から運ばれたものがたまりやすくなっているとの説明だ。また別の教授は、「北風や北西風が吹いた時に濃度が高くなる」現象から、北朝鮮での石炭やバイオマス焼却の影響が地理的に近い春川に大きく出ているのではないかと指摘した。

これを受け、韓国のネットユーザーからも原因を推測する声が寄せられ、「春川市は盆地だからね」「タッカルビの煙だよ。タッカルビをやめればいいんじゃないかな」「キャンプ族が増えたから。みんな炭火で肉を焼いて食べてるのが一因」「練炭を使うのをやめるべき」「中国から流れてくるスモッグが原因だよ」といったコメントが並んだ。(翻訳・編集/吉金)