中国国防科学工業局の高官が国営中央テレビ(CCTV)の番組で、9年前に発生した四川大地震の直後に同地区では、「3.11」東日本大震災時の福島第一原子力発電所事故と同じような危機状況があったと発言した(JUNG YEON-JE/AFP/Getty Images)

写真拡大

 中国国防科学工業局の高官が国営メディアの番組で、9年前に発生した四川大地震の直後に同地区では、「3.11」東日本大震災時の福島第一原子力発電所事故と同じような危機状況があったと発言した。

 中国国防科学工業局の副局長で、国家原子能機構の王毅韌・副主任は2月15日、国営中央人民広播電台(中央人民ラジオ放送、CNR)の番組に出演した際、福島第一原発事故に触れ、四川省大地震発生した後、同省の核施設では、電力供給が寸断され、冷却水池が破裂して冷却水の水位が下がったため、「(冷却されていた)燃料棒がむき出しの状態になる可能性があった」と話した。

 2008年5月12日中国四川省汶川県でマグニチュード7.9規模(米国地質調査所が発表)の大地震が発生した。当時一部の海外メディアは、この地震で地元にある地下秘密核兵器施設で核爆発が起きた可能性が高いと報じたが、中国当局は否認し続けてきた。

 原子炉の冷却システムが故障すると、燃料棒が溶けて原子炉の圧力容器下部に落ちる(メルトダウン)が発生する可能性が高い。さらにそこから圧力容器の底の部分が溶け燃料が突き抜ける現象(メルトスルー)が起きると、大量の放射性物質が外部に放出されるという深刻な放射能汚染につながる。

 王副主任は「非常用ディーゼルエンジンを使って電力供給を回復させ、冷却水池を修復し水位を上昇させて危機を脱した」と強調した。副主任はこの事故で放射能漏えいがあったかどうか、核施設の名称や場所、事故発生の時間などの詳細には触れていない。

 香港メディアは過去、汶川県周辺地域に人民解放軍の秘密核施設があり、08年の大震災で施設の一部が崩壊し放射能漏えいがあったと報道した。これに対して、中国当局は今まで黙秘を貫き、放射能漏えいに関して完全に否定してきた。王副主任の発言で、中国当局による事故隠ぺいの可能性が改めて浮きあがってきた。

 大紀元中国語電子版が08年7月4日に掲載した記事『大地震で中国軍の最大武器庫が破壊』(中国語:大地震销毁中国军队最大兵库)では、人民解放軍の中でも比較的上層の情報筋が、四川大地震で同地域にある最大規模の軍の武器保管庫が完全に破壊されたほか、新武器のテスト基地や一部の核施設も破壊され、軍に甚大な打撃を与えたと話したことに触れている。

 また一部の海外メディアによると、四川大地震当時、地震発生直後に汶川県の震源地から南西方面の山中に通じる主要道路が軍の特殊部隊に封鎖されて、半径数百キロ圏内は立ち入り禁止になり、山に入る軍車両には白い防護服を着た人の姿を一部の被災者が目撃しているという。

 国連の国際防災戦略(ISDR)の統計では、四川大地震で8万7476人以上が死亡している。

 

(翻訳編集・張哲)