軍権確立に向けた動きが本格化

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 今年秋に行なわれる中国共産党の第19回党大会を前に、中国人民解放軍の上将と中将の位を持つ軍高官47人が引退することが分かった。すでに、海軍トップの司令官が交代するなど、一部の軍最高幹部人事が発表されており、習近平国家主席(中央軍事委委員会主席)の軍権確立に向けた動きが本格化しつつある。米国を拠点にする中国問題専門の華字ニュースサイト「博聞新聞網」が報じた。

 中国国営新華社電などによると、北京で2月20日に行われた海軍将校の昇格式で、中国海軍の呉勝利司令官の後任に沈金竜・南海艦隊司令官が任命された。呉氏は習氏に近い軍最高幹部で、海軍司令官を10年以上にわたって務めてきたが、中央軍事委員には留まっており、党大会を機に引退するとみられる。

 後任の沈氏は大連艦艇学院院長や海軍指揮学院院長などを歴任しており、研究畑出身だが、2014年に南海艦隊司令官に就任。その後、昨年、中将に昇格したばかりだが、南シナ海の人工島造成や基地建設など積極的な軍事拠点化を進めてきた点が評価され、抜擢に至ったとみられる。南海、北海、東海の3大艦隊の司令官から直接、海軍司令官に昇格するのは初めて。

 博聞新聞網によると、引退リストには、引退年齢の68歳以上の上将として、呉氏のほか、中央軍事委副主席の範長竜と常万全(国防相兼任)の両氏や、馬暁天・空軍司令官、趙且石・後勤保障部長、賈延安・政治工作部副主任、孫建国・連合参謀部副参謀長、劉亜州・国防大学政治委員、蔡英挺・軍事科学院長らが掲載されており、いずれも党大会を機に引退する予定だ。

 一方、同新聞網は「習近平主席が今月下旬、北京で中央軍事委員会拡大会議を招集し、軍の重要事項について討議、決定する」と報じている。

 拡大会議開催の狙いは、具体的には腐敗問題や党の規律違反問題で党籍をはく奪され、死刑判決を受けた郭伯雄、徐才厚の両元中央軍事委副主席の軍内での影響力の排除で、郭、徐の悪行の徹底的な批判運動の展開や腹心ら関係者の処罰が発表されるとみられる。

 このほか、会議では30万人の軍縮計画などの概要も発表され、年内に実行される予定だという。拡大会議で討論された結果については、会議後、各地の地方部隊で学習運動が大々的に展開される予定で、習氏の軍内での権力基盤固めが大きな狙いだ。