独身アラサー女性のリアルな今を描く「東京女子図鑑」
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 2015年に書籍化もされた「東京カレンダー」の人気連載コラムを実写ドラマ化した「東京女子図鑑」で、水川あさみ演じるヒロインの男性遍歴をたどると浮かび上がってくるのが、未婚、晩婚化が進む現代で困難になりつつあるパートナー選び。秋田から上京し、「人がうらやむ人生」を手に入れようとする綾の物語には、あまりにもシビアな現実が描かれている。

 「仕事と恋愛」の両方で成功したい綾の20代から30代までを描いた本作は、三軒茶屋、恵比寿、銀座、豊洲、代々木上原と引っ越すたびに付き合う男性が変わっていく構成となっており、交際相手のタイプも場所を表すかのようにくるくると変わっていくのがユニークだ。阿部力、小柳友、森崎ウィン、眞島秀和、大倉孝二、赤楚衛二ら歴代の恋人(&友人)たちにふんする顔ぶれもさることながら、わかりやすくメリットとデメリットを備えたキャラクターが見ものだ。

 上京したての綾が初めに付き合う三軒茶屋の男・直樹(阿部力)は、三軒茶屋の街のように「飾らない笑顔」がチャームポイントの癒し系男子。生まれ故郷が同じという共通点もあり、料理上手。道で迷っていた綾のみならず、大学時代の旧友がスキャンダルで地方に左遷されることになれば心を痛め、誰にでも優しい。「直樹といるとしみじみ幸せ」なのに、「こんな幸せなら秋田でも転がっている」と一方的に彼を捨ててしまったところから、綾の男性遍歴は激しく変わっていく。

 合コンで出会った恵比寿の男・隆之(森崎ウィン)はバイリンガルのエリートで、絵に描いたような御曹司だが、あっさりと綾に「結婚はしない」と言い放つドライな男。銀座の呉服店の若旦那・幸和(眞島秀和)は、ひと目ぼれした綾に「マノロブラニク」のヒールをプレゼントする「足ながおじさん」的紳士だが、既婚者で離婚する気配はない。結婚相談所で出会った豊洲の男・真人(大倉孝二)は見た目も経済力も、「まあ、悪くはない」と結婚したはいいものの、価値観が全く合わずあっという間に倦怠期。離婚後に出会った代々木上原の男・航平(赤楚衛二)は年下で甘え上手、安らげる存在だが、将来に対してはノープラン……といった風で、うまくいきそうでうまくいかない。

 新卒で就職したアパレル会社ではブランド立ち上げのリーダーとなり、大手ブランド(グッチ)への転職に成功。身心ともに自分を磨き続ける綾は雑誌でインタビューを受けるほど、誰が見ても魅力的。「幸せが石ころのように転がっていると思っていたはずの東京」で安住の地を見つけられず、いつの間に独りぼっちになっているのはなぜなのか? 女性が仕事も結婚も成功させるのは不可能なのか……? そんな綾の幸福探しの“旅”を通し、キャリア女子VS恋愛女子、子供を産みたい派VS産まない派など、現代女性の「今」を生々しく映し出している。(編集部・石井百合子)

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