米アマゾン・ドットコムが、ここのところ矢継ぎ早に大規模な雇用拡大策を発表している。2月20日には、英国で2017年内に5000人以上のフルタイム従業員を新規採用する計画を明らかにした。

昨年を上回る規模の新規採用

 英フィナンシャル・タイムズなどの海外メディアの報道によると、同社は昨年、英国で3500人を雇い入れていたが、今回の計画はこれを上回る規模の雇用拡大策となる。

 アマゾンの発表によると、今回はあらゆる種類の経験、学歴、技能水準を持つ人々を対象にし、その職種はソフトウエア開発やエンジニアリング、初級職務、オンザジョブトレーニングなど多岐にわたる。

 これにより、アマゾンの英国におけるフルタイム従業員の数は、現在の1万9000人から26%増加し、2万4000人となる。

 そして新規採用者が配置される部門は、英国の本部オフィス、カスタマーセンター、クラウドサービス事業「AWS」の欧州地域担当オフィス、配送センター、開発センターになるという。

英国で新たな本部オフィスや配送センターを開設

 アマゾンは現在、英国で10カ所に配送センターを持つが、今後は新たに3つの配送センターを開設する計画だ。

 また同社は、ケンブリッジ、エディンバラ、ロンドンにある開発センターで、人工知能(AI)を使った音声アシスタントサービス「Alexa」や、ドローン(小型無人機)による商品配送システム「Prime Air」、ビデオ配信サービス「Prime Video」、クラウドコンピューティングなどの開発を行っているが、新規採用者のうち1500人以上がこれら3カ所の開発センターと、AWS部門に配属されるという。

 このほか、同社は今年中にロンドンに新たな本部オフィスを設置する計画で、年末までにロンドンにある既存のオフィスと合わせて、同地域のオフィス収容人員を5000人以上にするとしている。

米国では今後1年半で10万人超を採用

 今回の発表に先立つ今年1月、同社は米国でも大規模な新規雇用計画を発表している。

 こちらは今後1年半で10万人以上のフルタイム従業員を採用するというもので、英国よりも大規模だ。

 米国におけるアマゾンの従業員数は2011年時点で3万人だったが、昨年末には18万人と、5年で15万人増えた。これが来年半ばには28万人を超える規模になるという。

 さらに同社は、同社のeコマースサイトやアプリを通じて外部の小売業者が商品を販売するマーケットプレースや、一般の人に商品配達を依頼するプログラム「Amazon Flex」といった事業を通じ、数十万人規模の間接的な雇用も生み出していくとしている。

(参考・関連記事)「誰でも配達人になれる「Amazon Flex」、米国で開始」

 なお同社は昨年10月に、年末商戦に向けて約12万人を臨時雇用するとも発表していた。

 その対象地域は、本社があるワシントン州をはじめ、カリフォルニア州、フロリダ州、マサチューセッツ州、ミシガン州、ニュージャージー州、ペンシルベニア州、テネシー州、テキサス州など合計27州だった。同社は、一昨年にも米国で期間従業員を10万人雇い入れていた。そのうち1万4000人を年末商戦後に正規雇用している。

筆者:小久保 重信