昨年末からグアムで調整を続けるなど、ストイックに自身を追い込んできたカズ。髪に白いものは増えたが、サッカーへの想いや真摯な取り組みはデビュー時と変わらない。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 1月11日11時11分の契約更新により、横浜FCでの13シーズン目、そして現役としては32年目のキャリアに突入した三浦知良。1967年2月26日生まれの「キングカズ」にとっては、50歳で開幕を迎える偉大な節目のシーズンである。

 昨年12月と今年1月の2度、グアムで自主トレーニングを行なったカズは、1月23日に横浜FCのチーム練習に合流。以降は連日、精力的に若いチームメイトたちと汗を流し続けている。
 
 2月8日にセレッソ大阪との練習試合で左足を流血するアクシデントにも見舞われたが、怪我は回復。練習にも復帰し、50歳でのJリーグ出場に向けて着々と準備を整えている最中だ。
 
 世界最高齢のプロ選手として、世界レベルで話題となっているカズ。そのキャリアがスタートしたのは、今から31年前のことである。82年に静岡学園高を中退し、わずか15歳で単身ブラジルに乗り込み、苦労の末に86年2月24日、名門サントスとプロ契約を交わした。
 
 86年といえば、まだ日本サッカー界はプロ化しておらず(Jリーグ創設はこの7年後)、トップリーグは主に実業団チームによって争われていた。この年は、初めて秋春制が導入され、翌年の春に王者となったのは、唯一のクラブチーム、読売クラブだった。
 
 元旦の天皇杯決勝はフジタ工業(後の湘南ベルマーレ)を下した日産自動車(後の横浜F・マリノス)が2度目の優勝を飾り、高校サッカーでは清水市立商業高(現在は合併して静岡市立清水桜が丘高)が四日市中央工業高との決勝を制して初の日本一に輝いた。
 
 海外では、何といっても夏にメキシコでワールドカップが開催され、アルゼンチンが2度目の世界一に。ディエゴ・マラドーナは「神の手」「5人抜き」の伝説を創り上げて、世界の頂点に立った。なお日本は前年の最終予選で韓国に敗れ、初出場はならなかった。
 
 チャンピオンズ・カップ(現リーグ)では、伏兵ステアウア・ブカレスト(ルーマニア)があのバルセロナを、セビージャでの決勝戦で下して初の欧州王者に。スコアレスで迎えたPK戦で、バルサは4人全員が止められるという悪夢を味わった。
 
 そのステアウアが欧州代表として冬の国立競技場に立ったトヨタカップ(現在は拡大されてクラブワールドカップ)では、夏のW杯で世界一となった選手を多く擁するリーベルが1-0で勝利し、この年を「アルゼンチン・イヤー」とした。
 
 このような出来事があった年にプロとして一歩を踏み出した18歳のカズ。その後、パルメイラス(キリンカップで来日)、マツバラ、CRB、キンゼ・デ・ジャウー、コリチーバと渡り歩き、90年に復帰したサントスでは主力として活躍し、ブラジル全土でもその名を知られるようになった。
 
 90年に帰国すると、読売クラブ(→ヴェルディ川崎)で国民的スターの地位を得、以降は京都パープルサンガ、ヴィッセル神戸、横浜FC、海外ではジェノア(イタリア)、クロアチア・ザグレブ(クロアチア)、シドニーFC(オーストラリア)でプレーし、現在に至っている。

【写真】NYC宮崎ラウンド 鹿島0-1横浜FC キングカズも出場!
 Jリーグ初期にはチームタイトル、個人タイトルを独占し、日本代表でも長くエースとして活躍したカズ。フットサルでも代表チームに名を連ね、世界の舞台に立った。そして今、キャリア31年というとんでもない記録を打ち立て、今、さらにそれを伸ばそうとしている。
 
 彼がプロになってから31年ということは、その年に生まれた者たちは今、30〜31歳ということになる。選手であればベテランの域に達し、最も脂の乗り切った時期であるが、人によっては引退の二文字が頭をよぎる年齢でもある。
 
 では現在、国内外のトップシーンで活躍する86年生まれの選手の顔ぶれとは、どのようなものか。主な選手を、以下に挙げた。
 
◇海外 ※日付は誕生日
ミルナー(リバプール/イングランド代表) 1月4日
シルバ(マンチェスター・C/スペイン代表) 1月8日
マルキージオ(ユベントス/イタリア代表) 1月19日
ファルカオ(モナコ/コロンビア代表) 2月10日
ゴディン(A・マドリー/ウルグアイ代表) 2月16日
――◇――◇――
ゼコ(ローマ/ボスニア・ヘルツェゴビナ代表) 3月17日
ノイアー(バイエルン/ドイツ代表) 3月27日
S・ラモス(R・マドリー/スペイン代表) 3月30日
コンパニ(マンチェスター・C/ベルギー代表) 4月10日
マンジュキッチ(ユベントス/クロアチア代表) 5月21日
ムスレラ(ガラタサライ/ウルグアイ代表) 6月16日
フッキ(上海上港/ブラジル代表) 7月25日
バッカ(ミラン/コロンビア代表) 9月8日
モウチーニョ(モナコ/ポルトガル代表) 9月8日
ジルー(アーセナル/フランス代表) 9月30日
シュマイケル(レスター/デンマーク代表) 11月5日
ナニ(バレンシア/ポルトガル代表) 11月17日
ナバス(R・マドリー/コスタリカ代表) 12月15日
ロリス(トッテナム/フランス代表) 12月26日
 
◇日本人
瀬戸貴幸(アストラ/ルーマニア) 2月5日
青山敏弘(広島) 2月22日
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森脇良太(浦和) 4月6日
岡崎慎司(レスター/イングランド) 4月16日
東口順昭(G大阪) 5月12日
細貝萌(シュツットガルト/ドイツ) 6月10日
本田圭佑(ミラン/イタリア) 6月13日
家長昭博(川崎) 6月13日
西川周作(浦和) 6月18日
興梠慎三(浦和) 7月31日
高萩洋次郎(FC東京) 8月2日
長友佑都(インテル/イタリア) 9月12日
 
 いずれも所属クラブ、代表チームで確固たる地位を築いた名手ばかりであるが、いまだ不動の存在として君臨している選手もいれば、台頭してきた若い選手たちの突き上げを食らいながらも奮闘している選手もいる。
 
 国内外の優れたGKが多いのが印象的だが、国内で見れば本田、岡崎、長友といった日本代表を牽引して一時代を築き、ある意味、最も日本のサッカーファンに夢を与えた選手たちが揃っている。日本サッカー界の先駆者がその歩みを始めた年に彼らが生まれたというのも、何か感慨深いものがある。
 
 ちなみに、今をときめくリオメル・メッシの誕生日は87年6月24日で、カズがデビューした時にはまだ生まれておらず、クリスチアーノ・ロナウド(85年2月5日生まれ)は当時1歳。そして、久保建英が生まれた2001年6月4日、この時点でカズは34歳、キャリア16年目のシーズンを迎えていた。
 
 改めて、カズは凄い!