13日に殺害された北朝鮮の金正恩党委員長の異母兄・金正男(キム・ジョンナム)氏の長男、キム・ハンソル氏がマレーシアに入国したとの情報が伝えられたが、実際に入国したかはいまだ不明で、情報は錯そう気味だ。

20日午後にハンソル氏のマレーシア入りを伝えたのは、マレーシアの英字紙、ザ・スターだ。同紙は、キム・ハンソル氏を名乗る人物から各国の記者に送られたというメールを元に、同氏が20日夜にマレーシア入りすると報じた。また、マカオからクアラルンプールに向かうエアアジア8321便にハンソル氏が搭乗したことを確認したとも報じた。

クアラルンプール国際空港第2ターミナルの到着口には数百人の取材陣が殺到。ハンソル氏が現れるのを待っていたが、結局、本人らしき人物は現れなかった。マレーシアの華語紙、星洲日報は警察関係者の話として、彼が特別なルートを通って空港を離れたと報じた。

エアアジアのトニー・フェルナンデスCEOは、シンガポールのチャンネル・ニュース・アジア(CNA)の取材に対して、「乗客の安全のため、ハンソル氏が到着したかどうかを明かせない」と述べている。

エアアジア便到着から5時間ほど経った午前2時40分(日本時間)、10人以上の特殊部隊員を乗せた4台の車両が、金正男氏の遺体が安置されているクアラルンプール病院に入った。この車両にハンソル氏が乗っていた可能性はあるが、全員が覆面をかぶっていたため、確認できていない。

この時、病院前には100人を超える取材陣が詰めかけていた。マレーシアの華語紙、中国報によると、韓国の公共放送KBSの記者3人が、霊安室に裏口から忍び込もうとして警備の警察官らと揉み合いになり、1人が身柄を一時拘束される騒ぎとなった。

APF通信によると、車両は午前5時頃に病院から走り去り、特殊部隊員も午前11時頃に病院から撤収した。

一方、中国報は、マレーシア警察のカリド・アブ・バカー長官が、キム・ハンソルがマレーシア入りするという情報について「正確ではない」と述べたと報じた。

またCNAはスランゴール州の警察長官の話として、金正男氏の家族から遺体引き渡しの要求は来ていないと伝えている。