藤枝明誠高戦で、身体を張るMF荒木(右)。02ジャパンは高校生相手にも怯まず果敢に挑んだ。写真:川端暁彦

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 2月16日から19日にかけて行なわれたU-15日本代表候補合宿。2年後のU-17ワールドカップを目ざし、2002年生まれの選手たちで構成されるこの“02ジャパン”にとって、初めての招集機会だった。
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 練習で各人に配られたビブスに名前がプリントされるのも、この時期ならでは。有馬賢二監督の指揮の下、新しいスタートを切った。
 
「高校生相手に胸を借りたい」と、18・19日には練習試合を4ゲーム実施。18日は35分×3本の変則マッチで清水桜が丘高に2-1、40分×3本で静岡学園高に8-3と勝利。最終日の19日は45分ハーフで藤枝明誠高に3-2と競り勝ち、浜松開誠館高には1-2で惜敗を喫した。

 中学生と高校生の対戦とあってフィジカル面での差が出る局面もあったが、さすがに日本全国から集められた精鋭だけあって、個の勝負でも十二分に渡り合ってみせた。
 
「アグレッシブにボールを奪いに行くことをまず求められた」とMF青島健大(清水エスパルスジュニアユース)が振り返ったとおり、練習で強調された「まず奪いに行け。抜かれても食らい付け」というスピリットを、多くの選手が体現していたのは大きな収穫だった。連敗を覚悟して組まれた4連戦だが、思った以上に結果が付いてきたのは、なにより選手たちのそうした姿勢の賜物だ。
 コミュニケ―ションの点でも、当初は様子をうかがっているような雰囲気があったが、合宿後半のミーティングでは活発な意見が出るなど変化も見られたようになり、選手・スタッフともに手応えを感じていた。
 
「最初は誰も手を挙げなかったけれど、最後はみんな自分から手を挙げる感じになった」と、MF西川潤(横浜F・マリノスジュニアユース)も笑顔で語る。浜松開誠館高との最終ゲームに敗れはしたものの、最後まで諦めない姿勢をチーム全員で見せた。その様子を目の当たりにした有馬監督も、「ここまで気持ちを出してくれるとは」と満足気だった。
 
 もちろん、ここから始まるのは仲良しロードではなく、タフな競争である。まずは3月にスリランカ遠征があり、4月にはイタリアで各国代表が集うデッレナッツォーニ国際トーナメントへの参加が決定。さらに7月の中国遠征を経て、9月には早くもU-16アジア選手権の1次予選が控える。当面はこの予選に向けて、選手の選考を進めていくことになる。
 
 当然ながら、まだ見ぬ逸材の発掘作業も並行して行なわれる。今回は選外だった一学年下の世代にも候補となり得る有望株が複数おり、そこも含めての競争となっていくはずだ。
 
 まずは上々の船出となった02ジャパン。ただそれは、嵐なき安楽な航海を意味するものではない。
 
 
取材・文・写真:川端暁彦(フリーライター)