離れて暮らす両親や知人の生活の様子を、住宅で使われている電力やドアの開閉、温度・照度センサーなどを通じて確認することができるシステムが、イギリスの企業が開発する「Howz」です。

Howz

http://www.howz.com/

Smart meter tracks when the kettle’s on to check grandpa’s OK | New Scientist

https://www.newscientist.com/article/2121709-smart-meter-tracks-when-the-kettles-on-to-check-grandpas-ok/

Howzは、ドアの開閉を検知する「ドアセンサー」(左上)、部屋の明るさや温度を検知する「マルチセンサー」(左下)、非接触式で電気線を挟むだけで電力消費量を測ることができる「電線クランプ」(中)、そして各センサーからの情報を集め、インターネット経由で状況を知らせる「ハブ」(右)といった装置で構成されています。



これらのセンサーを用いて、家族の生活をモニタリングするというのがHowzの仕組みです。例えば、朝起きて最初に飲むコーヒーを淹れるために電気ケトルの電源を入れると、電力消費の変化を電線クランプのセンサーが検知。部屋の明かりを付け、ヒーターの電源を入れて温かくなってきたことをマルチセンサーが検知し、散歩のために家を出ると、ドアセンサーが検知します。



このようにして集めた情報をもとに、Howzは数日でその家で繰り返されている行動パターンを学習します。そして毎日のお決まりの行動を変わりなく行っているかどうかを検知し、明らかな変化があった場合にHowzはあらかじめ設定しておいた連絡先に通知。そして知らせを受けた家族や担当者が本人にコンタクトを取ることで、たまたまの出来事なのか、それとも予期せぬ異変が起こっているのかを確認できるというわけです。また、「いつもより電気オーブンの電源が長く入りっぱなしになっている」といった変化を検知することも可能とのこと。



このシステムを開発しているのは、イギリスに拠点を置く企業Intelesantです。同社ではイギリスの国民医療サービス当局と協力し、マンチェスターの100戸で実証実験を進めている最中。その後は、サリーにある350個に対象を広げてさらなる検証を行う予定とのこと。高齢者の安全確認や医療に役立てることも期待できるサービスですが、一方ではセンサーに依存することで各戸訪問がおろそかになり、社会的孤立を引き起こす可能性や、プライバシーが悪用されるリスクも含めて検証が行われている模様。しかし、このような用途が可能になることこそが「IoT(モノのインターネット)」のメリットの一つでもあるわけなので、実用化に期待したいところです。