今回のビジネスマナーは、商社勤務の佐々塚美保子さん(仮名・29歳)から届いた相談です。

「月に1回、ネイルサロンでジェルネイルにしています。私は、ベージュやピンク、白を基本に上品でシンプルなデザインを心がけていますが、後輩のネイルは長いし、色は派手だし、夜遊び用にしか見えません。でも、他人にとっては、私も彼女も同じように見えるのでしょうか……。上司からキミたちの爪はおしゃれだねぇ、と言われ、イヤミかな? とちょっと心配になってしまいました……」

ネイルがキレイだと、自分自身、モチベーションが上がって、仕事も捗りますよね。今は、セルフでできるジェルネイルキットも続々登場して、ますます身近に。上品に装いたいところですが、オフィスマナーとしてはどうなのでしょうか。鈴木真理子先生に伺ってみましょう。

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ビジネスマナーの基本は相手に「おや?」と感じさせないこと

ネイル問題は各社で起きている事象です。名刺交換、パソコン作業、資料配布、ペンや受話器を持つ手元などなど、ビジネスでは、手元が注目されるシーンがいくつもあります。

手元が注目されるということは、同時に爪も見られているということですね。この連載でも口を酸っぱくして言っていますが、ビジネスマナーの基本は、「相手に“おや?”と思わせないこと」。相手の気持ちを煩わせないことが重要なのです。ですから、上司の方からジェルネイルを「おしゃれだね」と指摘された時点で心配になったという相談者の方は、マナーの心得ができているといえます。

 まずは自社の服装規程を確認

あなたの会社では服務規程が決まっていますか? 職業柄、ルールがある人は、それに従いましょう。たとえば、ドクターや薬剤師さんなど、医療従事者が派手なネイルをしていると、清潔感を疑いますよね。トップが指導できていないのかな、とも思ってしまいます。

デスクワークの場合は、あまり厳しく言われないようですが、男性の役員や管理職のなかには、ビジューや柄付きのジェルネイルやフレンチネイルを嫌がる人もいます。エレベーターのボタンを押す手を見て、「どうして爪が白色なの? 不自然だよ」と、直接注意された人もいますよ。

派手なネイルが出世を阻む場合も……

ある企業で、仕事はできるのに管理職に抜擢されない女性がいます。原因はたったひとつ。なんとネイルです。
華やかなネイルを身上にしている彼女。それが少々目立ちすぎるよう。しかし、何度か上司が注意しても「私はこれが仕事のモチベーションになっている」と聞く耳をもたない。新人や後輩に示しがつかないし、ほかの女性たちも彼女のマネをし始めて困っていると、上層部が不満を漏らしていました。仕事のスキルでは評価され、後続の女性たちのロールモデルとなって欲しいのに、たったひとつ、爪のことだけで出世できないなんて、もったいない話だと思いませんか。確かに、仕事のモチベーションはあがるかもしれませんが、周囲を不穏な雰囲気にしてまで……というのは、少し頑固すぎるのではと感じてしまいます。

もちろん、ご本人が仕事の評価が下がってもネイルが大事、というのであれば、なにもいうことはありませんが……。

身だしなみの範囲内のオフィスネイルとは?

とはいえ、誰だって、おしゃれは楽しみたいものです。キレイなほうが気持ちがいいでしょう。

そして、働く女性は、日常の大半が仕事です。マナーとはいえ、制限がたくさんかかっていたら、働く意欲もそがれてしまいますよね。くれぐれも、ネイルをしなければいいんでしょ! とヤケになったりしないでくださいね。

オフィスの服装のマナーは「おしゃれではなく身だしなみ」です。それを踏まえて、好感と自分の楽しさ、どちらも手に入れる方法を考えましょう。

色は淡いピンクやベージュなどの単色がベター。フレンチネイルは上品とされていますが、仕事の場では、爪の先端だけ色が違うというデザインに違和感をもつ男性は多いようです。
また、ジェルネイルの中に、ラインストーンやチャームが詰め込まれた爪は、フジツボのようで気色悪い……と評判がよろしくありません。

爪の長さは、手のひらを返したときに、指先から1mm程度見えるくらいまでとしておきましょう。あまり長すぎると、パソコンのキーボードを打つときに、カチカチと耳障りな音をさせたり、ペンが持ちにくくておかしな持ち方になってしまったりと、オフィスではよいことがありませんよ。

フレンチネイルって上品でいいじゃないか、と思うのですが、これがダメってもうビジネスマナーって大変!



■賢人のまとめ
オフィスで間違いないのは、短めで桜色の健康的な爪に見せる装い。悪目立ちしないように心がけて。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

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