ガボン中部の国立公園で餌を食べるゾウ(1999年11月28日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】アフリカ中部の国ガボンでは、象牙目的の密猟者らによるゾウの殺傷が憂慮すべきペースで続いており、国内のゾウの生息数がこの10年間で80%減少した。

 米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)に掲載された論文によると、聖域と考えられていた区域のミンケベ国立公園(Minkebe National Park)内で殺害されたゾウは、これまでに約2万5000頭に上っているという。

 米デューク大学(Duke University)とガボンの国立公園庁(Agence Nationale des Parcs Nationaux)の研究者のジョン・ポールセン(John Poulsen)氏は「マルミミゾウについては、ガボンが世界最大の残存個体数を保持するとみられているため、これまで考えられていたよりもはるかに大きな困難に陥っていることが示唆される」と話し、「ゾウの生息数がアフリカ中部全体で10万頭足らずという状況にあって、政府や自然保護当局が早急に行動しなければ、マルミミゾウは絶滅の危機に直面する」と指摘する。

 論文によると、密猟者らは主に、国境を接する隣国カメルーンからガボンに侵入しているという。「見かけが広大で、辺境に設けられた保護区によって生物種が保全されるという考え方はもはや通用しない。密猟者らは、利益を上げられる場所ならどこへでも行く」と、ポールセン氏は説明した。

 森林に生息するゾウの2014年の個体数を推定するため、研究チームは森林内のふんを調査した。次に、2014年の個体群規模の推定値を、2004年に同じ方法で算出した推定値と比較した。

 象牙に対する需要が密猟を後押しする主な原動力となっており、この需要を削減する必要があると、研究チームは指摘。「国際社会は、現在合法となっている取引をすべて停止させるように、いまだに商取引を許可している国々すべてに圧力をかける必要がある」と、ポールセン氏は述べた。

 論文によると、ガボンは2011年以降、マルミミゾウの保護ステータスを「完全保護」に格上げする、国立公園警察隊を編成する、国立公園当局の予算を倍増する、アフリカ諸国で初めて没収した象牙をすべて焼却処分するなど、ゾウを保護するためのさまざまな措置を講じてきたという。

 だが、野生動物に関わる犯罪者らを訴追するための国際的な法執行機関との協調や、複数の国々にまたがる保護区の新設などの、さらなる行動が不可欠だと、ポールセン氏は指摘する。

「残された時間はあとわずかだ」と、ポールセン氏は話した。
【翻訳編集】AFPBB News