“ムーンライト”に照らされた
主人公をとらえたもの (C) 2016 A24 Distribution, LLC

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 第89回アカデミー賞で作品賞、監督賞ほか8部門にノミネートされた「ムーンライト」の日本版ビジュアル3種と海外版予告編が、公開された。

 ブラッド・ピットがエグゼクティブプロデューサーを務め、米マイアミの貧困地域を舞台に、自分の居場所を捜し求める少年の生きざまを3つの時代構成で描く。「007」シリーズのナオミ・ハリスが麻薬常習者の主人公の母ポーラ、人気ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」で知られるマハーシャラ・アリが主人公の理解者である麻薬ディーラーのフアンに扮し、共にオスカーにノミネートされた。

 予告編には、青色を効果的に用いた叙情的な映像と「マネー・ショート 華麗なる大逆転」の音楽で知られるニコラス・ブリテルによるバイオリンの美しい旋律のなか、周囲に理解されずいじめられ、孤独を抱える主人公シャロンが大人になっていくさまが収められている。ポーラが鬼の形相で叫び、涙を流す姿や、フアンがシャロンに「どう生きるかを決めるのは自分自身。他人じゃない」と語りかけるシーンも描かれている。

 すでに公開されていたビジュアルは、アレックス・ヒバート、アシュトン・サンダース、トレバンテ・ローズが演じる主人公シャロンが月光に照らされる姿を1つにコラージュしたもの。対して、今回公開されたのはそれぞれの時代のシャロンに焦点を当て、劇中の印象的なセリフを添えている。幼少期のシャロン(ヒバート)は、父親代わりのフアンから授けられた「月明かりで、おまえはブルーに輝く。」、青年期は、親友ケヴィン(ジャハール・ジェローム)にシャロン(サンダース)が思いのたけを告白する「泣きすぎて、自分が水滴になりそうだ。」、成人期は、離ればなれになっていたケヴィンと再会した際にシャロン(ローズ)の口から漏れる「あの夜のことを、今でもずっと、覚えている。」と詩的な言葉が彩る。

 バリー・ジェンキンス監督は「お互いが1度も会わずに、同じ内面を持つ主人公を演じられる3人を見つけることがなによりも重要だった」とキャスティングの苦労を振り返る。「3人は年齢も顔つきも違うが、共通する内なる感情があって、それを“瞳”で完璧に表現できたんだ。第3章の大人になったシャロンは筋肉という鎧(よろい)を着ているが、彼の瞳に子供のころのシャロンを感じさせるものがあれば、観客は絶対についてきてくれると思った。見た目がどんなに変わろうとも、中身はいつまでも少年のままなんだよ」。

 「ムーンライト」は、4月から全国公開。