失業後のキャリア再構築、カギは親の近所に住むこと? 居住地で年収に大差

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小さな子どもを持つ人たちの中には、自分の親の近所に暮らすのは嫌だと考えている人たちもいるだろう。だが、それについては再考が必要だといえるかもしれない。

米クリーブランド連邦準備銀行の調査の結果、親の近所に住んでいる人の方がそうでない人たちに比べ、失業・再就職後に、より短期間で年収を増やしていたことが分かった。この調査は、ミシガン大学が1968〜2013年にかけて毎年、世帯主の収入について行った追跡調査「収入動態に関するパネル調査(PSID) 」の結果をまとめたものだ。

この間に報告された失業件数は約1,350件。また、1960年代からの継続調査であり、定義を変更していないため、「世帯主」の約80%が男性となっている。

今回の調査では、25〜35歳での失業はその後の収入への影響が大きく、10年後も失業を経験しなかった人たちに比べ、少ない年収にとどまっていたことが明らかになった。

一方、この年代で失業した人の中でも両親の近所、または同じ人口調査標準地域(人口が1平方キロメートル当たり約4,000人になるよう区分された地域)内に住んでいた人たちは再就職後、親と離れて住んでいる人たちよりも大幅に年収を増やしていた。

失業から10年後の年収は、親と同じ地域に住んでいた人は離れて暮らしている人たちよりも(2007年当時の価値で)1万ドル近く多かった。さらに、親の近所に住んでいた人たちは、同じ地域に住んでいた人たちよりも約1万ドル多かった。失業を経験していない人たちと同水準に達した人たちもいた。

ただし、今回の調査結果をまとめたクリーブランド連銀のエコノミストの一人は、これは相関関係を示した調査結果であり、因果関係を明らかにしたものではないとして、親の近くに住むことが収入を増やすということを示す証拠はないと説明している。

取り戻せるのは35歳まで

失業・再就職後、失業を経験していない人に収入で追い付くことができたのは、失業時期が25〜35歳だった人の場合だった。36〜55歳の場合、親の近くに住んでいることの「効果」はみられなかった。

比較的若い時期の失業・再就職に限ってこうした傾向が出るのは、なぜだろうか。前出のエコノミストと報告書の共著者らは、別の調査によって得られた結果に基づき、次のような仮説を立てている。ただ、今回の調査結果がこれらの仮説を裏付ける証拠を示しているわけではない。

・ 親自身が地元で築いてきた社会的ネットワークが、子どもがより好条件の仕事に再就職することを支援した
・ 失業後の就職活動中に、親が精神的な支えになった
・ 親が住まいや食事の面倒をみたり、子育て(孫の世話)を手伝ったりすることができるため、より好条件の仕事が見つかるまで就職活動を継続することができた(25〜35歳で失業した人たちの55%には、失職した時点で子どもがいた)