芸能一家に生まれたボーカルHiro

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 インディーズシーンで輝かしい活躍を見せるバンド MY FIRST STORY。彼らの全国47都道府県をまわったツアー「We're Just Waiting 4 You Tour 2016」、そしてツアー最終日の日本武道館ライブの模様に密着したドキュメンタリー映画『MY FIRST STORY DOCUMENTARY FILM -全心-』が公開を迎えた。本作では、5年間のバンドの軌跡と共に、大物歌手の両親、人気バンドのボーカルの兄を持つボーカルHiro(23)が、初めて家族への思いを語ったシーンも収録されている。なぜ彼は胸の内を明かすことにしたのだろうか、Hiro本人が語った。

 全国47都道府県でのライブーー。言うのは簡単だが、実行に移すのは並大抵のことではない。「メンバーの入れ替わりなどがあって現在の4人になってから初めてのツアーだったんです。その先には武道館ライブがある。大変だというのはやる前からわかっていましたが、(全国47都道府県でのライブは)武道館までの修行編、ここでバンドの力を底上げしたいという思いもあったんです」とツアー意図を語る。

 映像には、一歩ずつ地力をつける MY FIRST STORY の姿が映し出されている。そこにはメンバーそれぞれの成長はもちろん、それを支えるスタッフ、そして彼らがリスペクトするミュージシャンや仲間たちの思いが大きく影響している。そして各人の距離感はとても近い。バンドの規模も拡大する中、インディーズにこだわる理由がここにある。「例えば現場にいてくれる人が毎回違うと名前も顔もなかなか覚えられないし、コミュニケーションをとるのも難しい。同じ温度感をチームとして持っていたいと思うと、少数精鋭という考えに行きつくんですよね」。

 デビューから5年、順風満帆のように感じられるバンド活動だが、途中メンバーの活動休止や脱退もあり、それぞれメンバーの中にはいろいろな思いがある。一つがHiroの境遇だ。劇中「芸能一家の三男として生まれたHiroは実力も知ろうとしない人から、兄の二番煎じ、親の七光りと揶揄されていた」という表現が出てくる。

 さらに、日本武道館のライブでHiro自身の口から語られた、小さいころからいじめられバカにされて生きてきたこと、そして何度も死んでやろうと思いながらも、諦めずに必死に生きてきたこと、家族への思いなども、本作には収録されている。「映画になるという話を聞いたとき、純粋に嬉しいという気持ちが半分、もう一方で、自分たちの映画なので、責任感みたいなものもありました」。

 ではなぜ、日本武道館でHiroは家族への思いや、自身の境遇を語ったのだろうか。「これまでCDやアルバムをリリースした際、取材やインタビューを受ける機会があったのですが、今回映画で話していたようなことは、話したことがなかったんです。自分でも、どこかで話した方がいいのかなという思いはあって。それが武道館というのはタイミング的にはいいのかなって。僕にとって武道館は特別な位置づけの場所なので」。

 これまで触れなかったことが映画として取り上げられることを「感覚的なのですが、すごく良かったと思っているんです」と語ったHiro。「こうしてインタビューを受けるときでも、本当に聞きたいことを聞いてきてくれるようになるだろうし、僕らももっと明確に思いを伝えられると思うんです」。

 デビューから約5年でたどり着いた日本武道館。劇中「5年後、日本最高峰の場所・東京ドームで俺らがナンバーワンだということを証明してみせる」と宣言していた MY FIRST STORY。彼らの進む道にどんな未来が待っているのか注目していきたい。(取材・文・写真:磯部正和)

映画『MY FIRST STORY DOCUMENTARY FILM -全心-』は2月17日より2週間限定公開中