「三度目の殺人」に出演が決まった(上段左から)
斉藤由貴、広瀬すず、吉田鋼太郎、橋爪功、
市川実日子、松岡依都美、満島真之介

写真拡大

 是枝裕和監督の最新作で、福山雅治と役所広司が初共演を果たす法廷心理劇のタイトルが「三度目の殺人」に決まり、主要キャストとして広瀬すず、斉藤由貴、吉田鋼太郎、満島真之介、松岡依都美、市川実日子、橋爪功が出演していることが明らかになった。

 是枝監督のオリジナル脚本で描かれる今作は、勝利至上主義のエリート弁護士・重盛(福山)が30年前にも殺人の前科がある三隅(役所)の弁護を、“負け戦”と覚悟しながら引き受けるという視点から描かれる。接見を重ねれば重ねるほど、動機が希薄なため重盛のなかで確信が揺らいでいく。なぜ殺したのか、そもそも本当に三隅が殺したのか……。

 「海街diary」で是枝監督に見出され、浅野すず役を熱演してブレイクした広瀬はその後、一気に女優としての階段を駆け上がった。2本目となる是枝作品では、被害者の娘・山中咲江に息吹を注ぎ込む。前作では、広瀬の希望もあって脚本が渡されることはなく、現場で口述によってセリフを伝えられるという是枝監督ならではの演出手法を体感したが、今作では脚本を受け取り撮影に臨んでいる。

 物語の鍵を握る少女に扮しているが、「是枝監督は穏やかな印象が強いのですが、台本を読ませて頂いて、こんな事を感じているんだと、自分の知らない監督の一面を見ているような印象を受けました。そして、また是枝さんの作品の中で生きられる時間がすごく幸せです」と胸のうちを告白。さらに、「どんなシーンでも咲江が見ているもの、感じている事を私と同じ感覚で感じてくださって、言葉をくれる監督はやっぱりとても心強く、すごく気持ちがいいです。が、今回はちゃんと自分でセリフを覚えて、台本を手に持って現場に入るのが恥ずかしいです(笑)。少女だからこそ見える世界を大切に、強く立っていたいです」と明かした。

 一方の是枝監督は、再タッグを決めた理由を「『海街diary』で出会って、その後の女優としての成長を作品ごとに感じているので、もう一度きちんと自分の作品の中で向き合ってみたいと思いました」と説明。そして、「咲江は背負っているものが多いのにも関わらず、人のせいにしない、被害者としてではないあり方をする、今の時代に希有な強さをもった少女だと思います。彼女の持っている芯の強さ、何者にも寄りかからず自分の足で立っている感じを、今回の咲江役でも表現してもらいたいと思っています」と期待を寄せている。

 また、斉藤は被害者の妻・山中美津江、吉田は重盛と事件解明に奔走する弁護士・摂津大輔、満島は重盛の事務所に所属する若手弁護士・川島輝、松岡は弁護士事務所の事務員・服部亜紀子、市川が事件の担当検察官・篠原一葵、橋爪は30年前に三隅が関わった事件の裁判長だった重盛の父・重盛彰久に扮している。

 若手から大ベテランまで実力派が顔をそろえたが、なかでも斉藤は、是枝監督が30年前から部屋にポスターを飾るほど憧れた存在だという。「当時からアイドルというくくりに収まらない、女優として、各クリエイターがこぞって起用したがる特別な魅力がありましたが、今回もやはり、役がおりてきたときの入り込み方と、その一方でご自身の演技を冷静に見ている姿に改めてすごみを感じました」。是枝組に参加することを楽しみにしていた斉藤も、「いただきましたのは、卑怯と残酷と愛を併せ持つ女性の役で、演じるのがとても難しいです。けれど、是枝監督の静かで穏やかな演出を受けると、沈黙の静謐の中に宿る答えにたどり着けそうに感じることができます。得難い演技経験を積めることに感謝しています」と語り、充実した撮影現場であることをうかがわせた。

 「三度目の殺人」は、9月に全国で公開。