サルー・ブライアリーさん

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 第89回アカデミー賞作品賞などにノミネートされた話題作『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』(4月7日 日本公開)について、実在のモデルであるサルー・ブライアリーさんと彼の養母スー・ブライアリーさんが、2月8日(現地時間)ニューヨークのAOL開催のイベントで語った。

 デヴ・パテル、ルーニー・マーラ、ニコール・キッドマン出演の実話をベースにした壮大な感動作。幼少時にインドで迷子になり、人さらいなどの魔の手をくぐり抜け、オーストラリアの養父母のもとで育った主人公が、Google Earth を頼りにインドの自分の家を捜す姿を追う。第89回アカデミー賞では、作品賞を含む6部門にノミネートされている。

 自叙伝「25年目の『ただいま』」の映画化が進められた経緯について、サルーさんは「僕が Google Earth でインドの家族を発見したのが2012年で、その後自叙伝を出版し、さらに映画に発展するまでわずか6か月くらいだった。自叙伝執筆後、映画化のために原作者として関わり、自分のアイデアを紙に書いてスタッフに送った。内容が希薄になるのではないかという懸念もあったが、鑑賞した映画は、インドのシーンも、自然な形で描かれていて気に入ったよ」と答えた。

 今作では、家族内の問題なども鮮明に描かれている。その内容について、スーさんは「もちろん、かなり心配しました。でもサルーの自叙伝には、真実が記されていた。だから映画化するときも、もう隠すべきこともないと思い、ありのままの姿を見せるべきだと思ったの。それに、もし家族内の困難を省いていたら、真実味のある映画にはならなかったし、今作を鑑賞した人たちに(家族の問題について)考える機会を与えることができなかったと思う」と理解を示した。

 今作は主人公の青年期を演じたデヴの熱演も話題だが、幼少期を演じたサニー・ペイウォーの演技も目を見張るものがある。サニーについてサルーさんは「俳優経験のなかったサニーは、本当に素晴らしかった。僕はこれまで25回くらい映画を鑑賞しているが(インドの各都市でプレミア上映されたため)、彼は当時の僕をしっかり体現してくれていた。彼の顔の表情は完璧で、演技を観るたびに、引き込まれてしまう。素晴らしくて、感動的だった」と絶賛した。(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)