拘束されたIS戦闘員(出典:http://nypost.com)

写真拡大

クルド人政府が支配するイラク北部の都市キルクークで昨年10月、IS(イスラム国)とイラク治安部隊との激しい戦闘が繰り広げられた。ISの奇襲攻撃により99人の市民やイラク兵が犠牲となったが、IS側も戦闘員63人が死亡するなど被害は決して小さくはなかった。このほどクルド人諜報機関がこの戦闘で拘束されたIS戦闘員へのインタビューを特別に許可し、ISの恐るべき日常を明らかにしている。『nypost.com』などが報じた。

「今までに200人以上をレイプした。ISではこんなのは日常茶飯事だった。」

淡々と語るのは10月の戦闘でイラク治安部隊によって拘束され、イラク北東部クルディスタン地域にあるスレイマニヤ収容所に捕らえられているアマル・フセイン(21)だ。

イラク当局は2014年、ISがイラク北部でヤジディ教徒の少女や女性たち数百人を誘拐し、姓奴隷として売買したうえ、村の男たちを容赦なく殺害したと報告した。

「ISのリーダーからは少数民族であるヤジディ教徒はもちろん、女は好きなだけレイプして構わないと言われていたよ。」

こう語るアマルは2013年にIS戦闘員になってから2016年10月に拘束されるまでの間に500人以上を殺害したこと、ISが戦闘でそのテリトリーを拡大し街から街へと移動する中で、女性を見つけては日常的にレイプを繰り返したことを明かしている。

「銃殺する必要があれば銃殺したし、斬首する必要があれば斬首したよ。砂漠に連れて行って一度に殺るのは7人、いや8人〜10人でその場で30〜40人を殺すんだ。人を殺す訓練を受けたけど、最初はさすがに躊躇した。でも日が経つにつれそういう感情が薄れていった。敵を座らせ、頭に布を被せるとその頭に弾を打ち込むだけのこと。人を殺すことが普通だったんだ。」

吐き捨てるように話すアマルだが、「自分もISの被害者である」と語りこう続けた。

「私はモスルの貧しい家庭で育ち、仕事もなかった。友達はいたけど何が正しくて何が間違っているのかを教えてくれる人はいなかったんだ。」

アマルがイスラム教のモスクでジハド(聖戦)に参加しないかと誘われたのはまだ14歳の頃だった。アルカイダを経てIS戦闘員になったが、拘束されてからは毎日欠かさずコーランを読んでいるという。コンクリートに囲まれた狭い部屋にあるのは自分と向き合う時間だけ。しかしアマルに今までの人生を振り返り、自省する様子は見られない。

出典:http://nypost.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)