トランプ発言に影響されない、強い日本株の探し方! プロが注目しているのは「鉄鋼」や「工作機械」など 2017年度に減益から増益に転じるセクターの銘柄!

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トランプ氏が米大統領に決まってから大幅に上昇した日本株も、現在はその発言に株価が一喜一憂している状況だ。しかし、株価の将来を決めるのはやはり企業業績の動向。読めないトランプ大統領の発言よりも、こうした企業業績にこそ注目して銘柄選びをしていくべきだろう。

そこで、2ダイヤモンド・ザイ4月号では、直近の日経平均株価の動きから、今後の日本株の値動きや企業業績について分析! トランプ大統領の発言に左右されない、プロおすすめの日本株の業種・テーマも紹介する。

絶好の買いタイミングに大統領選があっただけ!
トランプ大統領でなくても日本株は上昇していた

「米国大統領選挙の結果にかかわらず、株価には底打ち感がありました。2016年度通期の予想利益も昨年11月時点の数字と比べて上ブレしています。今は長らく続いていた業績の下方修正が、上方修正に転じた局面です。たまたま絶好の買いタイミングに、トランプ大統領が登場しただけです」

 こう指摘するのは野村證券のストラテジストの伊藤高志さん。日経平均株価の1株利益は2015年夏以降、切り下がる展開が続いていた。それが上ブレに転じたのだから、日本株が上がるのは当然というわけだ。

「NYダウも2万ドルに到達しましたが、米国も2016年7〜9月は減益予想にもかかわらず増益で着地。2017年の前半は2ケタ成長が見込まれており、日米ともに業績の上ブレを素直に好感して株価が上昇しているのです。来期の日本株は2ケタ増益となる見込みで、2017年末の日経平均株価は2万1000円を想定しています」

2017年度は配当総額が過去最高に!?
ROEが高まる銘柄や高配当株に注目せよ

 伊藤さんは日本独自の株価の押し上げ要因として、構造改革とROE(自己資本利益率)重視など株主還元の強化を指摘する。

「トヨタ自動車はTNGA(※)と呼ばれる、商品力強化とコストを削減する開発方針を掲げてさらに体質を強化。ROE向上を意識した自社株買いや増配、M&Aも目立ち始めました。2016年は初めて日本で自社株買いが新規発行額を上回るはずで2017年はそれがさらに加速する見込みで株価の押し上げ要因になります。配当総額も、2017年度も過去最高を更新する可能性が高いのではと考えています」(※)Toyota New Global Architecture

一時的な下落はあるが基本は円安トレンド

 トランプ大統領については「アメリカ・ファースト」(米国第一主義)に代表される保護主義的な政策の影響も気になるが……。

「一時的に過激な発言で株価が大きくブレる局面はあると思います。ですがメインシナリオは、米国は金融を筆頭に大胆な規制緩和や、インフラ投資などの財政政策により成長率が加速。為替も大統領が決めることは不可能で、日米の金利差が拡大していく以上は円安トレンド。2017年は業績の伸びが日本株を押し上げる1年になると考えます」(伊藤さん)

プロに直撃! 2017年の日本株予想と狙うべき銘柄とは?

 では、投資のプロたちが考える2017年に狙うべき銘柄とは? 伊藤さんは、「低PER銘柄や工作機械」に注目している。

「株価指標ではPER(株価収益率)の効き目が復活するでしょう。昨年前半まで食品など高PERのディフェンシブ株が買われ、割安な低PER銘柄が上がりにくかったですが、これは超低金利という特殊な状況下で起きた現象。2017年はPERが割安な株が素直に買われると思います。テーマは『生産性の向上』で、特に工作機械に注目です」(伊藤さん)

 一方で、トレード研究所の坂本新太郎さんは、2016年に株価がふるわなかった業種の株に注目する。

「2017年の日本株はボックス相場を想定。欧州、中国、トランプ、北朝鮮とリスク要因が多く、これらが2つ同時に出るとリスク回避で円高になるでしょう。もっとも日本企業の円高への抵抗力は強くなっており、下値は日経平均株価で1万7000円割れまで。狙い目の業種はカジノなどのテーマ株や2016年の株価がふるわなかった鉄鋼、海運です」(坂本さん)

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 ただし初心者は、投資の配分も十分に考えてから銘柄を選ぼう。株式投資で最も重要なことは、挽回が不能な致命的な損を出さないこと。市場から退場しなければ、必ず儲けるチャンスがやってくるからだ。

 初心者は、まず値動きが安定的な高配当株中心がおすすめ。中上級者も、攻めの10万円株と守りの高配当株をバランスよく持つことを心がけよう。