「バースプラン」を知っている? 内容とメリットについて

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執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士)

医療の発展とともに、出産についても昔に比べて様々な様式や条件でできるようになってきています。

その中で今、注目されているのが「バースプラン」です。

バースプランとはどういうものなのか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。

今回はこのバースプランについて、ご紹介していきましょう。

バースプランとは「出産計画」

バースプランとは、一言でいうと「出産計画」です。

赤ちゃんを出産するにあたり、お母さん、お父さんの希望を事前に聞き、できる限りその希望にこたえるというのがその内容です。

例えば、「陣痛の時にこの音楽を流してほしい」「足浴の際にはこのオイルを使ってほしい」というようなものから、「陣痛で病室に行く際、家族の中でもこの人は中に入れてほしいけれど、この人は入れないでほしい」というような、細かい要望もある程度出すことができます。

他にも「無痛分娩で産みたい」「子供も立ち会わせたい」といったような要望も、バースプランとなります。

産院や病院によっては受けられないことも

出産については、産院や病院によって方向性やできることが限られています。

そのため、バースプランを立てるにあたり、注意したいのが「自分のバースプランを実行できる産院か病院であるか」を事前に確認しておくことが大切です。

例えば、バースプランとして「夫に立ち会ってもらう」というのを上げたとします。

その際、病院によっては立ち合い出産を行っていない場合もあるので、事前に立ち会い出産を行っているかどうかを確認する必要がある、というわけです。

特に無痛分娩については行っている産院や病院は限られるため、注意しましょう。

完璧なバースプランが完璧な出産を導くとは限らない

出産は、女性にとって一大イベントです。

そして“何が起こるかわからない”というのもまた出産です。

そのため、自分の中で完璧なバースプランを立てていても「実際にはできなかった」という例も少なくありません。

例えば先ほどあげた「立ち合い出産を希望」としていても、陣痛途中でトラブルが起き、緊急帝王切開となった場合、立ち合いができなくなってしまうということもありえるのです。

そのため、「バースプランはあくまで希望」ということも、覚えておきましょう。

バースプランは結婚前から始まっている!?「ブライダルチェック」

また、バースプランと並んで近年注目されているのが「ブライダルチェック」です。

ブライダルチェックとは、結婚する前にお互いが赤ちゃんを迎えるにあたり支障がないかを医療機関でチェックする、というものです。

「妊娠し、出産するということは奇跡だ」とはよく言われることです。

例えば不妊で悩むカップルのうち、女性不妊と男性不妊の割合は半々だといわれており、男性にとっても他人事ではありません。

「自分たちは子供を授かりやすいかどうか」それをチェックするのが、ブライダルチェックです。

出産には、何が起こるかわかりません。

だからこそ「事前に準備できる部分は準備をし、いざという時も慌てずに済む」という利点があります。

出産をいい思い出にするためにも、ぜひ妊娠前からバースプランを検討してみてくださいね。


<執筆者プロフィール>
山村 真子(やまむら・まこ)
看護師・西東京糖尿病療養指導士、一児&犬二匹の母親兼主婦。現在は医療系ライターとして執筆活動中