スタバのアプリはなぜ成功した? 顧客の心をつかむモバイル戦略とは

写真拡大

現在、ウェブ検索の60%以上はモバイルブラウザやアプリ上で行われている。デジタル市場に特化した分析会社のコムスコアによれば、今後のデジタル市場の成長は全てモバイルによってもたらされるものだという。

つまり今こそ、効果的なモバイル向けのキャンペーンや、魅力的なアプリの開発・改良について考えるべき時なのだ。

特にモバイル向けのキャンペーンについては、デスクトップPCとはまったく異なる環境で閲覧されるという点に注意しなければならない。混雑した地下鉄の中、または道端でコーヒー片手にスマホを閲覧する人々、あるいはタブレットをPC代わりに使用する人々にとって、見やすいものでなければならない。

新しいことを始める時には、過去の成功例から学ぶのが一番だ。ここで、モバイルビジネスにおいて大きな成功を収めているブランドに注目し、彼から学ぶべきことは何かを考えてみよう。

スターバックス:最も信頼できる”友人”になる

スターバックスでは、モバイルオーダーと支払いサービス(MOP)に大規模な投資を行い、AIとクラウドテクノロジーを活用して、ユーザー一人ひとりのニーズに応えたサービスを提供している。

注目すべきは、チャットボットを使用した「会話オーダーシステム」だ。同社は2016年12月にこのサービスを開始し、大きな成功を収めている。さらに、アマゾンの音声アシスタントであるアレクサからのオーダーも可能になったことが発表された。

スターバックスの成功から学べることは、彼らが顧客体験を十分に理解し、それに合わせてモバイルアプリを定期的に改良してきたことだ。通勤ラッシュのストレスを認識していなければ、MOPサービスは生まれていなかった。

会話オーダーシステムも同様だ。スターバックスというブランドが単なるコーヒーショップではなく、経験やステータスを象徴するものであり、それゆえ日々の接客に「プレミアム感」が必要であると気づいたからこそできたことだ。

モバイルマーケティングを考案したり、モバイルアプリを開発する際には、顧客と彼らの体験を決して見失ってはならない。魅力的なアプリやブランドは、自分にとって最も信頼できる友人やパートナー、あるいはインスピレーションを与える指導者として機能するものだ。

ブランドが顧客に必要とされる”友人”になることができれば、彼らもブランドに対して忠誠心と情熱を持ってくれるようになるはずだ。

マイフィットネスパル:「プッシュ機能」でタイムリーに接触する

ダイエットアプリの中でも、アメリカでおそらく最も人気が高く、広く利用されているのがマイフィットネスパル(MyFitnessPal)だ。

同アプリでは、ユーザーの満足度を高めるため、優れたインターフェースや豊富な食品データベース、ゲームを利用した目標達成システムなどが実装されている。だが、成功の最大の要因は、同アプリの”絶妙なタイミングでプッシュ通知を送る”機能によるものだろう。

このアプリは、ユーザーが普段どのタイミングで食事の記録を登録するのかを学習し、そのタイミングをユーザーに通知するようになる。これはマーケティング業界で「マイクロモーメント」と呼ばれる概念を活用している。マイクロモーメントとは、消費者たちが自社製品を使うかどうか迷っている瞬間のことで、ユーザーに接触する理想的なタイミングとされる。

マイフィットネスパルにとってのマイクロモーメントは、ユーザーが食事を終えた瞬間。つまり、食後の運動でカロリーを消費するかどうかを決める瞬間だ。

同社のマーケティングの目標は、ユーザーの健康増進――そしてユーザーに自社の広告を見てもらうことだ。優れたプッシュ通知によってその両方を満たすことができる。