北朝鮮の金正恩党委員長の異母兄の金正男氏がクアラルンプール国際空港で殺害されて1週間。北朝鮮と取引を行っている中国人ビジネスマンや、在北朝鮮華僑の間では、北朝鮮への入国を控える動きが広がっていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

羅先(ラソン)経済特区を毎月訪れているという中国人ビジネスマンは、来週の訪問予定を延期したという。北朝鮮と長年ビジネスを行ってきた彼は「このような時には、外国人に対する監視が強化される。下手に北朝鮮に行けばどんな目に遭うかわからない」と延期の理由を述べた。

彼は、ホテル従業員やタクシードライバーなど、北朝鮮で会う人すべてが国家保衛省(秘密警察)の要員である可能性があると見ながら、常日頃から言動に注意している。それでも、下手に口を滑らせて金正男氏の名前を出せば、中国に戻れない危険性があると考えている。

また、2月16日の光明星節(金正日氏の生誕記念日)に合わせて平壌を訪問予定だった別の中国人ビジネスマンも、「北朝鮮を取り巻く情勢が厳しい」との理由で1ヶ月延期した。

このような北朝鮮入国を控える動きは、北朝鮮に在住する華僑の間でも広がっている。

中国丹東市在住の情報筋は、同地を訪問した平壌在住の義理の弟が、2月16日の帰国予定を変更し、状況を見極めてから帰国することにしたと述べた。金正男氏殺害事件で北朝鮮国内が騒がしいだろうから、今帰国するのはリスキーだと考えてのことだ。

一方、中国に在住する北朝鮮の人々も、外出を自粛している模様だ。南北朝鮮の人や朝鮮族が多く住む遼寧省瀋陽市西塔の住民は、事件が起きてから外を出歩く北朝鮮人の姿が目に見えて減ったと述べた。