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スター・ウォーズ/フォースの覚醒」や「マッドマックス 怒りのデス・ロード」など、多くの映画でVFX(ビジュアル・エフェクツ)が使われていますが、映画を見た人の中には「VFXは偽物っぽい」という考える人も。しかし、今ではCG映像を使う手法だけでなく、想像以上に多くのVFXが使われており、いかに私たちが映像にだまされているのかがわかるムービーが公開されています。

VFX Games - The Art of Compositing on Vimeo

道ばたに立っている男性が「今日、映画の中で、あらゆるものを作り出すことが可能です。ただし、これは簡単な作業ではなく、極度の集中と長い時間、高い技術を必要とします」と話し出します。



映画の中のVFXでは非常に細かい部分まで作り込まれるので、「視聴者は大画面で見ても違和感に気づかない」、と男性。VFXの中でも特に重要になってくるのが、レンダリングした映像とフィルム本編をくっつけるデジタル合成というプロセスで、これによってまるで「生命が今そこに存在しているかのような」幻想を作り出すことが可能です。



「どういうことが見てみましょう」ということで、男性が青色に変わりました。これは「ロトスコープ」という手法で、ブルーバックとは対照的に撮影した映像の一部を切り取ること。



対象物が背景と完全に切り離されるので、こんな映像になります。



一方で、ブルーバックやグリーンバックなどの前で役者が演じる手法は「キーイング」と呼ばれます。



グリーンバックの部分にだけ、別次元のリアルな映像を映し出します。



上述の2つとは少し異なりますが、「トラッキング」も映像作成において重要です。平面の動きを捉える2Dトラッキングや……



奥行きまで捉える3Dトラッキングなど。トラッキングすることでカメラの捉えた「動き」を正確に再現することができます。



また、「要素を追加する」だけでなく、「不要な要素を取り除く」ことも重要な作業。男性が持っているボール紙には+マークが4つ書かれていますが……



これを削除。



そして「現実など1つもない!」という文字が映し出されました。



もちろん、現実に作成したものを取り込むだけでなく、コンピューターが作り出したものを映像に入れることもあります。これを「CGコンポジット」と呼びます。



このように数多くの緻密な作業を繰り返すことによって映像が作り出されるわけですが、中には「VFXって偽物っぽい」と言う人もいます。



「では本当にそうなのだろうか?」ということで、ここから映像が映画風から編集画面風になって、実際にムービーが作られた過程が逆戻りされていきます。



ロボットが消え、来た道を逆戻りしていく男性。



男性の後ろで車が通り過ぎるシーンにたどり着きました。



カラフルな塗装がされた車でしたが、実際の撮影で使われたのは真っ白いバン。



車にカラフルな柄を重ねて……



自然に見えるように処理。加えて、車の上にライトの映像を合成します。



さらに、車と柄の間に人物の映像が挟まってしまっているので……



これも処理。「nationalgrid」と書かれたカラフルな車が、全く違和感なく、後ろを通り抜けていきます。



また、男性の後ろを2人の自転車乗りが走り抜けていくシーン。



実は、この時実際に走り抜けていた自転車は一台のみでした。



コピー&ペースの要領で、1人目の後ろに2人目の映像を貼り付けて……



カラーなどの細部を調整していきます。



さらに、男性の後ろで女性が犬の散歩をしているシーン。



実はここには何もいませんでした。



これは別の場所でグリーンバックで撮影した女性の映像をくっつけて……



さらに犬を合成。



あとは全体がなじむように微調整されていきます。



ロボットが登場するシーン、右側の壁には落書きがされています。



これも合成。本来何もないところに……



別のところで撮影した落書きをくっつけます。



あたかも落書きが初めからあったかのように見せています。



ということで、ムービーの途中で男性が掲げた「現実など1つもない!」というメッセージ通り、違和感なく眺めている風景が作り物であることがよくわかるムービーになっており、ムービーを見た後は映像を通して見る「現実」を全て疑ってしまいそうでした。