89歳女性の最期に寄り添った隣人の男性(出典:http://people.com)

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「身寄りがないお年寄りの孤独死」という悲しいニュースが度々伝えられる昨今、同じアパートに住む病気のお年寄りを自宅に招き入れ、家族のように生活し看護してきた立派な男性がいた。米カリフォルニア州から『hollywoodlife.com』らが報じている。

ゲイであり俳優兼歌手でもあるクリス・サルヴァトーレさん(31)が、カリフォルニア州ウエスト・ハリウッドに引っ越してきたのは4年前のことだった。恋人と別れ人生をリセットしようと新しい環境に飛び込んだクリスさんだが、そこでノーマ・クックさん(89)に出会う。中庭を挟んで斜め向かいに住むノーマさんはクリスさんより58歳も年上だったが、話し上手で陽気な彼女は当時落ち込んでいたクリスさんの心を温め、2人は互いに支えあうようになったそうだ。

ノーマさんは10年前から白血病を患い、しかも孤独だった。車の運転ができなくなった彼女にクリスさんは病院や薬局、銀行への送迎を申し出て、時間を見つけてはノーマさんを訪ねた。2人が“ベストフレンド”になるのに時間はかからなかった。

しかしノーマさんの体調は6か月前から急激に悪化。クリスさんは自宅で倒れ入退院を繰り返すノーマさんのために、異常を即座に知らせるブザーを設置するなど万が一に備えてできるだけのことをした。しかしノーマさんは、医師から「余命数か月、24時間の看護を要する」との告知を受けてしまう。

「施設に行くなら死んだほうがまし。最期は自宅で迎えたい。」

そんなノーマさんの強い希望をクリスさんはしっかり受け止めた。クラウドファンディングサイト「GoFundMe」でノーマさんの介護のための寄付を募って必要なものを揃えると、彼女を自宅に招き入れ一緒に暮らすことを決意した。

「ノーマは家族同然。私の愛するおばあちゃんです。彼女には最期まで愛されていると感じて欲しかった。人の優しさは魔法と一緒。医者には治療できないものも治してくれると思っています。」

クリスさんはノーマさんの様子や思いの丈をFacebookに投稿しており、2月初めにはノーマさんが歩くことも困難になりその最期が近づいていることを綴っていた。そして15日、クリスさんから悲しいニュースが伝えられた。

「今日、ノーマは安らかに眠りにつきました。ノーマはもういませんが、彼女はたくさんの人々の心の中に永遠に生き続けるでしょう。ノーマは“愛とは何か?”ということを私に教えてくれました。人は愛し愛されるために生まれてくるのです。人を愛するってことは楽しいことばかりではありません。それ故、人を傷つけることも失うこともあるでしょう。真の愛とは、恐怖心を捨てて自分の心の奥深くを相手に見せることだと思います。それに愛に境界線はないのです。」

ノーマさんに寄り添い最期まで看取ったクリスさんの気持ちを思うとやりきれないものがある。クリスさんは先月、『people.com』のインタビューに「愛する人が目の前でだんだん弱っていくのを見るのは本当につらいです。彼女の前で落ち込んだ姿を見せないように、自分をコントロールすることが非常に難しいのです」と涙ながらに語っていた。

クリスさんのSNSは「ノーマさん、安らかに。クリスさん、君は愛すること、共に寄り添うこと、共感することなどたくさんのことを教えてくれました。より多くの人にあなたたち2人のことを知ってほしいと思います。あなたがいてくれて本当に良かった」といったコメントで溢れている。

人生の最期をどう過ごすかというのは人それぞれであろう。愛する家族と一緒にバケットリストをこなしたり、あえて今まで通りに過ごすことを選択する人もいる。いずれにしても「幸せだった」と思える最期を迎えられるよう、人を愛し愛される人生を送りたいものだ。

出典:http://people.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)