北朝鮮の故・金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男であり、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の異母兄である金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシアで殺害された。金正恩氏が実権を握って以降、金正男氏は中国に保護されていたが、その金正男氏が殺害されたことで中国には今後どのような影響が生じるのだろうか。(イメージ写真提供:123RF)

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 北朝鮮の故・金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男であり、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の異母兄である金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシアで殺害された。金正恩氏が実権を握って以降、金正男氏は中国に保護されていたが、その金正男氏が殺害されたことで中国には今後どのような影響が生じるのだろうか。

 中国メディアのBWCHINESEはこのほど、金正男氏が殺害されたことは中国にとって「間違いなく良いことではない」とし、北朝鮮で政治闘争が激化し、政治が不安定となれば中国にとっても脅威となると伝えている。

 記事は、金正男氏の存在は金正恩氏にとっては常に「牽制」の意味があったとしながらも、その「牽制」のカードはもはや存在しないと主張。中国が故・張成沢(チャン・ソンテク)氏や金正男氏を担ぎ出して北朝鮮に政変を起こすのではないかと一部で噂されていたとしながらも、金正男氏が殺害されたことは「中国が金正男氏を保護していなかったことを意味し、噂も単なる噂だったことを意味する」と指摘した。

 一方、中国政府は北朝鮮の政治的安定を望んでいると指摘し、金正男氏の殺害を受けて北朝鮮で政治闘争が激化し、社会がさらに不安定となれば、北朝鮮から中国へと逃れる難民が増え、中国東北部の社会不安にもつながりかねないと主張。中国が今すべきは他国に付け入る隙を与えず、北朝鮮の早期の安定化を図ることであると指摘した。

 地政学的に見れば、中国にとって北朝鮮は韓国および在韓米軍との緩衝国にあたる重要な存在だ。だが、近年の中国と北朝鮮の関係はかつてほど良好ではないとされているうえ、中国が北朝鮮からの石炭輸入を停止すると発表したことは金正男氏の殺害に対する報復ではないかとの見方も浮上している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)