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Microsoft創業者で世界一の大金持ちであるビル・ゲイツ氏が、Quartzのインタビューに応じ「ロボットには課税すべき」と考えていること、その理由、「革新的な技術を恐れるだけの状況は良くない」という率直な感想など、近い将来に実現するであろうロボット技術に関する自身の考え方を明らかにしています。

Bill Gates: the robot that takes your job should pay taxes - Quartz

https://qz.com/911968/bill-gates-the-robot-that-takes-your-job-should-pay-taxes/

Quartz:

製造業などの自動化によって職を奪われる労働者を他の分野に転換するために必要なトレーニング費用などをまかなう目的でロボットに課税するべき、という「ロボット税」についてどう考えていますか?

ゲイツ:

例えば、工場で5万ドルの働きをする労働者は収入の中から税金を支払っていますが、同じ作業をするロボットが現れたなら、同様の水準の税金を支払うべきと言えるかもしれませんね。



今、世界が望んでいるのは、私たちが使っている日用品の製造から労働者を解放し、例えば高齢者介護や保育など、共感力や理解力などロボットがまだまだ人間には代わることのできない特別なニーズがある仕事への移行を促すことでしょう。このような分野においては依然として人手が圧倒的に不足していますから。



したがって、自動化によって取って代わられた労働者にトレーニングをほどこして、人間がするべき仕事に移行してもらうための財政確保のための課税をあきらめることはできません。



Quartz:

ロボット税を導入すべきだと。

ゲイツ:

生産性をさらに高めて新しい税を生み出す方法はたくさんあります。ロボット税について議論を始めるにはいい時期でしょう。労働者を減らして効率化することで生まれる富があります。私はロボット会社がロボット税に激怒するとは思いません。大丈夫ですよ。



Quartz:

ロボット税によってイノベーション(技術革新)が妨げられない方法を見つけ出せますか?

ゲイツ:

ロボットの登場によって労働者が代替されることが「損失」だと人々が議論する時には、課税レベルを上げてロボットの導入速度を落とそうとするべきです。ロボットの登場で、どの分野が大打撃を受けるでしょうか?どのような移行プログラムが機能して、どのような財政支援が求められているでしょうか?



ある分野におけるロボットが人を代替するペースは閾値を一気に超えます。倉庫作業、運転、ルームクリーニングなどは今後の20年間で意味を失う職種です。これらの職種に就く人を意味ある存在にすることこそが、純粋な利益になります。そうできるような政策を持つことが重要です。

人々は起こっている技術革新を理解すべきです。技術革新について熱狂するのではなく、不安を感じている状態は良くないことです。それは、技術革新が何か肯定的なものにつながらないことを意味するからです。ご存じの通り、「課税」は何かの行為を「禁止」するよりもずっとよい方法です。

Quartz:

このような社会構造の変化を、企業サイドに任せるよりも、政府が積極的に重要な役割を果たすべきと考えていますか?

ゲイツ:

企業側には解決できないでしょう。不平等を解消するために何かをしたいと思うならば、職にあぶれた労働者が収入のさらに少ない人たちを助ける必要があります。つまり、高齢者や障害者のための社会サービスを向上させ、教育分野に多くの人を配置することを意味します。「もっと裕福になれば、人々はより多くの物を買うだろう」という経済構造はあります。しかし不平等の解消という点においては、政府こそがより大きな役割を果たせます。課税政策の優れているところは、論点を分けられるところです。「新たな課税で税収を得るべき。では、税収はどの分野につぎ込むのが良いだろう?」という風にです。



なお、ゲイツ氏へのインタビューの簡略版は以下のムービーで確認できます。

Bill Gates: the robot that takes your job should pay taxes - YouTube