できる経理は、”担当者”単位で数字を見る!

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「経理は、数字を計算するだけでいい」と思われがちですが、そんなことはありません。

できる経理ほど、「人」と「数字」のつながりを意識しているものです。

経理のプロフェッショナルであり、最新刊『スピード経理で会社が儲かる』の著者、前田康二郎氏がその詳細を語ります。

できる人は、「人」と「数字」を紐づける

 経理のスピードアップには、経理部に集まってくる数字が「ただの数字」ではなく、「意味づけされた数字」だと理解する必要があります。

「意味づけされた数字」とは次のようなものです。

【売上明細】
9月30日 A社9月分コンサルティング料 100万円 当社担当:山田

 この情報から、100万円は「売上」の100万円という意味がつけられていることがわかります。

 そして、「9月」の「A社」の「コンサルティング料」で、「山田さん」が担当している案件の「100万円」だということがわかります。

 経理でチェックする項目は、前述した「 」で囲まれているところすべてです。会計上は「9月30日」「売上」「100万円」さえ間違えなければ大丈夫です。

 ただ、社内の分析資料であれば、その他の部分である「A社」「コンサルティング料」「山田さん」などが違う名称になっていたら正しい管理資料になりませんので、この部分もしっかり確認しなければなりません。

ここで「差」がつく!

 さらに意識すべきなのは、「誰から請求書が上がってきたのか」、つまり「担当者が誰なのか」という部分です。これは、やっている人とやっていない人とで分かれます。もちろん覚えていたほうが処理対応のスピードも上がります。

 上がってきた数字が、「どの社員の、どの数字か」をまず認識してから数字のチェックを始めます。そのほうが、数字の記憶が頭に残りやすいからです。担当者欄を見て、よく申請内容を間違えそうな人であれば注意して見ます。

 また内容を見て、担当者の売上の数字が悪いようだったら、「最近調子はどうですか」と声をかけて悩みや愚痴を聞いてあげたりもできます。その会話の中で、経理の立場から数字に関するアドバイスをしてもいいでしょう。

 また、「人」に関することで気をつけるべきは「現場の社員が退職する際、後任の担当者に経理上の処理の引き継ぎを十分にしないまま辞めていく」ことです。

 後任の社員が内容を理解しきれずに、数字の申請を怠ってしまったり、間違った数字を申請したりしてしまうことがあります。辞める当人も、「何かあったら経理がフォローしてくれるだろう」と軽く考えていることが多いのです。

 業務内容に関しては、引き継がれる相手や、その上司も把握しているでしょう。しかし、それに伴う経理処理の引き継ぎに関しては、辞める当人以外はわからない部分もあるので見落としがちなのです。

 こうした作業の引き継ぎモレを防ぐためにも、退職者の情報が入ったら、その人がどのような案件を抱えているか、あるいは特殊な申請処理の有無などをすぐ把握しましょう。

 そして、現場のデスクや後任者、その上司に、確実に引き継いでほしい要点を経理からまとめてアナウンスし、一緒に立ち会う時間を作るのです。