2017シーズン 選手の補強一覧

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引き分けがリーグ最多タイ…昨季は7年ぶり2ケタ順位に

 フットボールチャンネル編集部では、Jリーグ開幕に向けて各J1クラブの補強動向を診断していく。今季の目標に向けて、効果的な補強を行うことができたクラブはどこなのか。今回は、昨季のリーグ戦を年間勝ち点10位で終えた横浜F・マリノスを占う。

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 負けないが勝てない。そんな試合があまりにも多かった。年間12引き分けはジュビロ磐田と並ぶリーグ最多の数字で、2ndステージだけで8つの引き分けがあった。

 大黒柱だった中村俊輔が負傷で長期離脱する中、エリク・モンバエルツ監督は富樫敬真や遠藤渓太、パク・ジョンスといった若い選手たちに積極的にチャンスを与えて成長を促した。それでも結果にはなかなか結びつかず、年間勝ち点10位。7年ぶりの2ケタ順位となってしまった。

 低迷の最大の原因になったのは、やはり明確な得点源の欠如だろう。新たなエースとして期待されたブラジル人FWカイケは度重なる規律違反でチームのトラブルメーカーと化し、期待されたほどの力を発揮できなかった。

 持ち味のドリブルに磨きをかけた齋藤学はキャリア最高のパフォーマンスで攻撃をけん引したが、それでも1人の力だけではチームを上位に引き上げることができなかった。横浜FMがクラブとして世代交代を推し進める中、新シーズンは若い選手たちのさらなる成長とチーム力の底上げ、エリク・モンバエルツ監督が掲げる戦術の浸透が復権に向けた鍵になるだろう。

大黒柱・中村俊輔が退団。チームは大幅に若返りへ

 オフシーズン最も大きな話題となったのは、間違いなく中村俊輔のジュビロ磐田移籍だろう。チームの柱であり、顔だったスター選手が退団。日本サッカー界が揺れた。他にも榎本哲也や兵藤慎剛、小林祐三といったチームを長らく支えてきたベテランが横浜を去った。

 その結果、今季の横浜FMは大幅に若返り、リオデジャネイロ五輪世代と言われる23歳前後の選手が最大派閥となった。Jリーグ全体を見てもこれほど若いチームはほとんどない。

 ゆえに若い選手の奮起が今季の成績に直結する。サイドバックの松原健や山中亮輔、昨季5得点の富樫敬真、昨季終盤に出場機会を増やした新井一耀やパク・ジョンスには年間を通したコンスタントな活躍が求められる。

 また、ともに22歳で新加入のミロシュ・デゲネクとダビド・バブンスキーにかかる期待も大きい。オーストラリア代表の前者は守備の新たな柱として、バルセロナの下部組織出身でマケドニア代表の後者には攻撃にアクセントを加えるプレーが期待される。

 そして長年の課題だったエースストライカー不在も解決しそうだ。セルビアの名門レッドスター・ベオグラードで昨季20得点を挙げ、リーグMVPに輝いたポルトガル人FWウーゴ・ヴィエイラを獲得。調整の遅れが指摘されているものの、本来の力を発揮できれば十分に年間二桁得点を奪えるポテンシャルを秘めている。

齋藤学の残留は最大の“補強”。新主将&10番も託される

 急速な若返りが吉と出るか凶と出るか。補強からも分かる通り、クラブが世代交代を推し進めていることは明白。エリク・モンバエルツ監督の要求する戦術的な動きをチーム全体に浸透させつつ、若手の成長を促したい。

 攻撃の核である齋藤学が残留を決め、新たに10番を背負うことが決まった。さらに新主将にも任命され、名実ともにチームの中核となった。海外挑戦の可能性が盛んに報じられていただけに、残留はある意味で大きな“補強”と言えるだろう。

 今季のチームは齋藤を軸に攻撃を組み立てていくとすれば、中村俊輔から「10番」を受け継いだドリブラーが背負うものは、その背中に輝く数字よりも大きな意味を持つ。

 これまで前任の「10番」が君臨していたトップ下は、左足の精確なキックを武器に台頭してきた天野純や、バルサ出身の技巧派MFバブンスキーらが争うことになる。それぞれ違った強みを持つ2人がマルティノスや齋藤、H・ヴィエイラといったアタッカー陣といい関係を築ければ、魅力的かつ破壊力抜群の攻撃を披露できるだろう。

 守備は今年も大ベテランの中澤佑二が中心となって若い選手たちを引っ張っていく。これまで通り大きな不安はなく、堅守を実現できるはず。守備が安定すれば、チーム全体のパフォーマンスとバランスが向上し、簡単に崩れない組織が出来上がるに違いない。

診断

補強診断 B

 中村や榎本哲也らベテランが抜けた穴に次世代を担う若い選手を多く補強した。外国人選手も含め、即戦力として期待できる駒が揃っている。あとはどれだけ個々の能力を伸ばせるか。苦しい時に頼りになった重鎮たちが去ったことで、若手にはこれまで以上の自立が求められるだろう。

総合力診断 B

 攻守にバランスのとれたメンバー構成になっているが、未知数な部分も多い。新エースがどれだけゴールネットを揺らせるか、ファビオと小林祐三が抜けた最終ラインは機能するのか…。こういった小さな要素を一つ一つクリアしていけば、上位争いに絡めるポテンシャルを秘めているのではないか。

text by 編集部