金メダリスト・加藤凌平「体操って、無限の楽しさがある」――東京五輪へ向けて挑戦は続く。
「こんなことするの、初めてです(笑)」と、いつもはハードなトレーニングで使う床の上にゴロン…。演技中の真剣な眼差しとは一転、カメラの前ではにかんだ笑顔を見せてくれた、体操選手・加藤凌平。取材の舞台は、コナミスポーツクラブ体操競技部体育館。ここは加藤が練習を積み重ねている場所だ。リオ五輪での金メダルから半年。体操への熱い思いからプライベートの話まで、静かな口調でじっくりと語ってくれた。視線の先には、2020年東京オリンピックを確かに見据えて。

撮影/川野結李歌 取材・文/古俣千尋 制作/iD inc.



「リオ五輪の日本代表は、ここ数年で一番強いチームでした」



――昨年はリオ五輪での団体総合金メダル、本当におめでとうございました!

ありがとうございます!

――日本代表として体操競技6種目のうち5種目を任され、安定感のある完璧な演技を見せてくださった加藤さんの姿が印象的でした。一番鮮明に覚えているのはどの瞬間ですか?

やっぱり、みんなで手をつないでバンザイしながら表彰台に上がったときですね。




――改めて日本代表の体操のレベルは、加藤さんから見ていかがですか。

いま、世界的にレベルが上がってきているんですが、特にアテネオリンピック(2004年)ぐらいからは、「日本の代表に入れれば、世界大会でメダルが取れる」というぐらい、日本代表のレベルはだんだん上がってきていて、国内での争いが激しいんです。昨年はたぶん、ここ最近でも一番強いチームだったと思います。

――加藤さんは18歳でロンドン五輪に出場。リオは2度目のオリンピックでした。

ロンドンのときは初めてだったので、何もわからないまま、先輩の足をひっぱらないように必死でついていった感じでした。でも、その1年後には健三(白井健三選手)が入って後輩もできたし、リオまでの4年間で代表を経験して、昨年はチームを引っ張っていく気持ちや、代表としての責任感を持てるようになったと思います。



――リオでは、日本代表チームのみなさん(内村航平選手、山室光史選手、田中佑典選手、白井健三選手)が声をかけあったり、仲良さそうに談笑していたり…お互いを信頼しあっている様子が、テレビを通して伝わってきました。

そうですね。試合のときは各自、集中するスイッチに切り替わるし、試合以外の時間はリラックスした雰囲気で、練習したり話したりできるメンバーです。合宿中は宿舎でも、けっこう和気あいあいやってる感じです。

――どんな話をするんですか?

試合後だったら、海外の選手の演技について「あれ、スゴかったよな」って話したり。オフの時間はみんなでゲームの話をしたり、トランプとかウノもしますよ。ババ抜きとか、大富豪とか。



――みんなでトランプ! 加藤さんは、強いほうですか?

…強いほうだとは思います(笑)。

――みなさん、ここぞのときの勝負強さがありそうですよね。

そうかもしれないです。ゲームで勝負強さとか、あとは頭の回転も鍛えられたりするのかも…?

――加藤さんは、代表チームの中ではどんなタイプなんでしょう?

チームみんなが個性をもっているっていうか、マイペースなんですけど…。そのなかでも僕が一番、自由気ままにやっている感じです(笑)。



「試合前は音楽を聴いて、自分の世界に入り込みます」



――体操選手の毎日の練習や演技についてもお話をうかがいます。まずは一日の過ごし方を教えてください。

朝は遅めなんです。曜日によって練習時間も変わるのですが、たとえば今日は練習が午前10時からなので、だいたい9時半ごろに起きて、この体育館に来て、11時半までストレッチやトレーニング。一度帰って1時間ぐらい昼寝してから、午後は2時20分から5時半まで、試合に向けた通しの練習や技の練習をします。6時半からの夕飯はコナミスポーツクラブの食堂で、みんなで食べます。その後、家に帰るって感じですね。

――休み時間はどのように過ごしていますか?

最近だと、サッカーゲームの『ウイニングイレブン』をやっています。サッカーとか、スポーツ全般は好きですね。ゴルフの打ちっぱなしに行ったりもしますよ。あとは漫画を読んでいるかな。

――どんな漫画を読んでいるんですか?

『ONE PIECE』とか『NARUTO』みたいな王道ものから、ダークな感じのものまで、漫画全般が好きですね。今、好きなのは『東京喰種トーキョーグール』(いずれも集英社)です。



――演技中はどんなことを考えているんですか?

その“世界”に入り込んでいる感じです。何も考えないっていうか、ただ、ただ、演技に集中しています。

――試合前に必ず行うことや、げんかつぎなどはありますか?

準備運動のときから、イヤホンをつけて音楽を聴いていますね。周りの音とか話し声が聞こえないようにして、自分の世界に入り込んで。そのまま練習や試合に入れるようにしています。あと、マットにはだいたい右足から入りますね。



――音環境も大事なんですね。ちなみにどんな音楽を?

そのときどきの流行りの歌を聴いています。人気ランキングを見ながら、洋楽でも邦楽でも、いい曲があったらピックアップしたりして。最近だとONE OK ROCKとか、RADWIMPSとかですね。

――体操のことをあまり知らない人でも、競技を見て楽しめるポイントを教えてください。

わかりやすいのは、着地が“ピタッ”て止まった瞬間とか、大技が決まったときですね。綺麗に決まった大技は、技の種類とかわからなくても、見ているだけで「スゴい」っていうタイミングがあります。とくに、生で見るとやっぱり迫力がありますよ。



「好きな異性のタイプ…よくしゃべってくれる人は好きです」



――加藤さんのプライベートな部分もうかがっていきます。ご自身の性格は「マイペース」とおっしゃっていましたが、好きな女性のタイプは?

どうでしょう……(苦笑)。よくしゃべってくれる人は好きですね。お互いマイペースでもいいですし、僕がマイペースだから、逆にきっちりしている人でもいいですし。

――お互いの趣味を共有したいタイプですか?

共有できればできるでいいと思いますけど、趣味が同じじゃなくても、合わせられるほうだと思うし。僕はお互いが別々に好きなことをやっていても気にならない性格です。

――そうなんですね。それでは、好きな食べ物は何ですか?

お肉とフルーツが好きですね。フルーツだったらメロンかな。



――お肉がお好きとのことですが、焼き肉屋さんで必ず頼むのは?

タン、ハラミ、カルビ! これだけは必ず頼んじゃいますね。

――常に冷静で落ち着いているイメージですが、思い切りテンションが上がるときもありますか?

ありますよ(笑)。ゴルフに行って、めっちゃいいショットが打てたときに、興奮したり大声を出したりしますね。「ナイスショーッ!」って自分で言っちゃいますから(笑)。



「運やチャンスを掴むために、努力し続けることが大事」



――世界選手権やオリンピックという大舞台で、絶対にミスできないプレッシャーのなか、完璧な演技を見せてくれる加藤さん。本番でプレッシャーに負けない、ミスをしないために、どんなことをしているんでしょうか?

ミスしないために大事なのは、練習の過程を踏みながら、本番までに自分が一番自信を持てるところ、一番調子がいいところまで“持っていく”ことだと思っています。もちろん、どんなに練習したってミスは出てしまうものなんですが、それでもやり続けていくことが、自信につながっていくんだと思います。

――とにかくやり続ける、と。

はい。動きが身体と頭に染み付くまで練習して、本番までに、何も考えなくてもできるところまでは持っていく。練習中はどうしてもミスが出てくるので、ミスを出さないための方法を考えながら、やり方を改善して身に付かせる。それをひたすら続けています。




――本番でミスしてしまうかも…という心配もしますか?

「ミスするかも」「大丈夫かな?」っていう心配は、もし考えたとしても演技の直前までで、本番の演技中は一切考えないですね。大事な場面に入るときに、「どう開き直って自信を持てるか」が大事なので。

――練習での並々ならぬ努力と、本番での自信と開き直り。これが加藤さんの強さにつながっているんですね。

それと……実は僕、ロンドンオリンピックのときは代表入りを狙っていなかったんです。まだ18歳でしたし、リオに照準を当ててやっていたので。

――ということは、ロンドンオリンピックに行けたのは想定外だったんですか?

そうなんです。だから、いつ、どのタイミングでラッキーが回ってくるかはわからない。運だったり、チャンスを掴むためにも、やっぱり努力を継続するのが大事だと思うんです。



――加藤さんにとって、体操の魅力って何でしょうか?

新しい技に挑戦して、それができるようになるたびに嬉しいんですよ。体操って無限に技が広がっているので、無限の楽しさがあるんです。

――まだ誰もやったことのない新しい技を成功させると、技に“カトウ”などと選手の名前がつくのも体操ならではですよね。

そして、試合でいい演技ができれば、練習での苦しさがすべて報われます。練習を積んだぶんだけ結果が出てくるんです。いい結果を残せたら自分も嬉しいですし、まわりの人が「おめでとう」って言ってくれたり、喜んでくれる。そこが僕にとって、一番の魅力ですね。



――最後に、2020年の東京オリンピックに向けた、今の思いをお聞かせください。

まず第一に、自分が日本代表に入り続けることが大事だと思っています。その年その年で確実に代表に入って、活躍することを目指して練習を積んでいけば、おのずといい練習、いい試合ができると思うので。それが、オリンピックという舞台でも生きるのかなと。

――応援しています。

ありがとうございます。みなさん、応援よろしくお願いします!



【プロフィール】
加藤凌平(かとう・りょうへい)/1993年9月9日生まれ。埼玉県出身。O型。身長163cm、体重55kg。幼少期より体操を始める。小学6年生のときからコナミスポーツクラブ体操選手選抜クラスに入り、現在の体育館に通う。2016年に順天堂大学卒業後、コナミスポーツクラブに所属。得意種目はゆか、平行棒。競技歴は、2012年ロンドンオリンピック男子団体銀メダル、13年世界選手権大会男子個人総合銀メダル、14年同大会男子個人団体銀メダル、平行棒銅メダル、15年同大会男子団体金メダル、16年リオデジャネイロオリンピック男子団体金メダル、ほか多数。16年には、紫綬褒章を受章。父は元体操選手でリオデジャネイロオリンピック体操コーチ、コナミスポーツクラブ監督の加藤裕之。



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