大手法律事務所の実像「不祥事企業を狙うハゲタカ」の声も

写真拡大

『週刊ダイヤモンド』2月25日号の第1特集は「弁護士・裁判官・検察官〜司法エリートの没落」です。文系最難関の司法試験に合格したエリートたち、それが弁護士、裁判官、検察官です。特集班は今回、彼ら法曹関係者113人を取材し、法曹界の知られざる真実に迫りました。そこで見えたのは、それぞれ固有の事情から没落の憂き目に遭う三者の姿です。

「彼らの“餌食”は不祥事を起こして社会的信用を失った企業だ。今なら不正会計が明るみに出た東芝。その前なら三菱自動車にタカタだ」

 日本を代表する大企業をターゲットとする“彼ら”とは、その規模と歴史で国内五指に入る大手法律事務所(以下、五大)――西村あさひ、森・濱田松本、アンダーソン・毛利・友常、長島・大野・常松、TMI総合――を指す。

 長島・大野・常松法律事務所に在籍経験のある40代弁護士は、そんな彼らを「ハゲタカ」と呼ぶ。五大の業態がここ数年で変容し、存続が危ぶまれるような企業に狙いを定め始めたというのだ。

 かつて五大は渉外事務所とも呼ばれ、主に大企業向けに法律業務を提供してきた。離婚や交通事故等の個人案件は一切受任しない。

 そんな彼らの“好物”といえば、M&A(企業の合併・買収)だった。欧米ではやりの手法を持ち込んでM&Aのスキームを作り、条件の交渉や契約の締結など一切の事務作業を引き受ける。そのフィー(手数料)が事務所を支える“大黒柱”だった。

 2000年以降、五大は相次ぐ大型業界再編に合わせて中小法律事務所を吸収。最大手の西村あさひは弁護士人数が10年間で2倍以上に膨れ上がった。

 だが、M&Aの“うまみ”はなくなりつつあるという。

 西村あさひに長年在籍し、現在は準大手法律事務所に所属する弁護士は「M&Aの手法が一般化し、中堅法律事務所が安く請け負うようになった。以前ほどフィーが取れなくなっている」と明かす。

 加えて司法制度改革で大量増員された弁護士の一部が、証券会社や会計事務所などに流れ、その弁護士たちが、五大が引き受けてきた作業の一部を担うようになった。機能の区別が失われてM&Aがコモディティー化し、フィーの値下げ圧力がさらに強まったのだ。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)