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この2017年の春は、富士通のLIFEBOOK UH75/B1が777g、NECのLAVIE Hybrid ZEROが769g、パナソニックのLet'snote XZ6が1,019gと、軽量モバイルノートパソコンが一気に出揃った。昨年末(2016年12月)に出た東芝のdynabook Vの1,099gを入れれば、もっと選択肢は広がる。

○これ以上軽いほうがいい?

NECパーソナルコンピュータ(NECPC)は、新型LAVIEの完成で、5年前に875gで登場した初代から、106gのダイエットを果たして、世界最軽量をさらに更新した。もはや、そこにたどり着けるライバルは無に等しいといってもいい。

ここまでくると、もうこれ以上の軽量化をユーザーは望んでいるのだろうかというテーマもひとつの選択肢として浮上してくるはずだ。新型LAVIEは相変わらずの16:9スクリーンだが、13.3型というサイズがそこを補完する。同社によれば、今、13型クラスで16:10や3:2のパネルを供給してくれるところがないということだった。

また、769gをかなえたのは、最下位モデルのHZ350/GAで、プロセッサはCore i3、バッテリも6.5時間と少し少ない。話半分と考えれば3〜4時間しかもたないと覚悟すべきだろう。これでは毎日の持ち歩きには心許ない。これまたNECPCによれば、Gen2対応しているUSB 3.1ポートについて、BIOSで無効にすれば、バッテリ駆動時間はかなり延びるともいうが、ちょっと本末転倒だ。

だから、選ぶとすれば、Core i 7搭載で、バッテリも10時間を駆動できる最上位のHZ750/GAだろう。だが、その分重量は831gとなってしまう。その差は62g。それでもACアダプタを持ち歩くよりは軽いはずだ。問題は価格で軽く20万円を超えてしまう。NECパーソナルコンピュータは学生のパソコン離れを心配しているが、この価格は学生、あるいは、これから学生になる諸君にはちょっとつらいようにも思う。

○いま「壊れないPC」が望まれている

高額なパソコンというと、パナソニックのLet'snoteが筆頭にあげられることが多い。先日のXZ6出荷式では生産ラインの工場見学も実施されたが、繁忙期であるとはいえ、今までに見たどのベンダーの工場よりも人手が多くかかっているように感じた。きっと開発の現場も同様なのだろう。これでは価格が高くなるのは当たり前だ。

Let'snoteを購入するユーザーの多くは企業だが、企業にとってパソコンにかかるカネをケチって壊れたりしたときにかかるコストを覚悟するよりは、多少は高くても壊れないパソコンを社員に使わせる方がずっとトクなんだそうだ。つまり、企業は安いパソコンを望んでいないし、パナソニックが企業努力でLet'snoteの価格を下げたとしても、それは無駄な努力に終わる可能性もある。誰もトクをしないというわけだ。それくらいなら、価格を維持してもっと丈夫にする。作る側も使う側もそう考えている節がある。

こんな具合に、日本を代表するパソコンメーカーのパソコンを作る姿勢は、以前とはちょっと異なってきているようにも思う。HPやDellといった米ベンダーは、アップルのMacbookの影響を強く意識し、見かけの重要さに気がついた。だが、日本のパソコンメーカーの工業デザインは、以前ほどとんがったものではなくなりつつあるのではないか。これはこれでちょっと寂しい。各社の2017年最新パソコンを持って20年前にタイムスリップしたとして、当時の人々に、どれが日本のパソコンメーカーの製品かを問うたとき、果たして、正確に言い当てられるかどうか。

いわゆるパソコンメーカーのお家芸。これからどうなっていくのか興味深い。

(山田祥平

(山田祥平)