人事管理サービスのZenefitsが、従業員全体の45%にあたる430人を解雇することになりました。とてつもない速度で急成長したためシリコンバレー有数のユニコーンと言われていたZenefitsは、大きな曲がり角を迎えているようです。

Zenefits layoffs cut nearly 50% of workforce - here's the email to staff - Business Insider

http://www.businessinsider.com/zenefits-layoffs-cut-nearly-500-employees-full-email-2017-2

中小企業向けに健康保険を販売し、給与計算、税金算出、勤怠管理などの人事サービスをクラウドで提供するZenefitsは、創業2年でベンチャーキャピタルから5億8200万ドル(約660億円)の資金調達に成功し、企業価値45億ドル(約5100億円)という評価を得るなど、シリコンバレーでも有名な急成長企業でした。アメリカでは企業が健康保険を保険会社から購入する仕組みですが、Zenefitsは保険販売の仲介をするだけでなく、保険商品を購入した企業に対して給与計算や福利厚生管理などの人事管理をクラウドで無料提供するというサービスを加えることで中小企業の顧客を中心に人気となりました。



急激に成長するZenefitsは最盛期には1600人を超える従業員を抱え、他の従業員が何をしているのかさっぱり分からない従業員が出るという混乱した状況に陥るほど人員を拡大させていたとのこと。当時のZenefitsでは、契約を取ってきたことを祝って1日中飲み明かすパーティーが開かれることが有名で、ウォールストリートジャーナルによると、非常階段で使用済みのコンドームが見つかり「非常階段でのセックス禁止令」が出されるなど、社内の風紀は乱れた状態にあったそうです。



しかし、Zenefitsの共同創業者で当時のCEOだったパーカー・コンラッド氏が、資格を持たない社員に健康保険の営業をさせたり、保険営業をするために義務づけられたオンライントレーニングを受講したように装うソフトウェアを開発したことが発覚し退職に追い込まれたことをきっかけに、緩んでいた組織体制も相まって、業績が急激に悪化。Zenefitsの共同創業者でコンラッド氏からCEOの座を引き継いだデビッド・サックス氏は、会社の立て直しのために従業員のリストラ策を実行しました。

コンラッド氏



自主退職を促しつつ、必要な人員整理を行い企業規模を縮小することを条件に投資家から資金調達をしたサックス体制でのZenefitsは、2016年2月に従業員全体の17%にあたる250人を解雇しました。なお、この時点でZenefitsの企業価値は20億ドル(約2200億円)にまで減少していました。

大型のリストラを断行してから1年後の2017年2月に、Zenefitsはジェイ・フルチャー氏を新CEOにすえる人事を発表しましたが、新人事発表からわずか3日後に、従業員全体の45%にあたる430人を解雇するという内容の第2次リストラ計画を発表しました。なお、Zenefitsは「このリストラ計画は、フルチャーCEOが組織全体を長期的な成功に導けるようにと、取締役会とサックス前CEOならびに経営幹部によって計画されてきたものです」と発表しています。