日本を訪れる中国人観光客は近年増加傾向をたどり、その勢いが日常的な話題になっている。一方で、中国を訪れる日本人観光客に関するニュースはほとんど聞かない。中国のキャパシティから考えれば訪中外国人観光客の数は実に物足りず、アウトバウンドが完全にインバウンドを飲み込んでしまっているのが現状だ。(イメージ写真提供:(C)dfkmyn/123RF)

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 日本を訪れる中国人観光客は近年増加傾向をたどり、その勢いが日常的な話題になっている。一方で、中国を訪れる日本人観光客に関するニュースはほとんど聞かない。中国のキャパシティから考えれば訪中外国人観光客の数は実に物足りず、アウトバウンドが完全にインバウンドを飲み込んでしまっているのが現状だ。

 中国メディア・今日頭条は17日、「どうして外国人観光客は中国に爆買いしに来ないのか」とする評論記事を掲載した。その中で、外国人観光客がこぞって中国にやってこない理由について考察している。

 記事は、日本政府の統計で、昨年1年間に日本を訪れた外国人観光客が2403万人となり、そのうち中国人が637万人と昨年に比べて2割以上増加したと紹介。一方で、昨年中国を訪れた外国人(香港・マカオ・台湾を除く)も約2500万人と、国土がはるかに小さい日本と同水準に留まったことを伝え「観光資源の数では絶対日本に負けないのに、どうして外国人は中国に来ないのか」と疑問を呈した。

 この疑問に対して記事は「中国人は観光というものをちゃんと理解していない」との結論を下している。「観光業は外国人に自国の文化を見せるという大事な要素を持つ、文化産業である」としたうえで、以前雲南省の昆明市で日本人を接待した時のエピソードを紹介。「民族舞踊を見せたところ、10分足らずで出てきた。理由を聞いたら『あなたたちは外国人を欺いている。これで200元(約3300円)も取るなんて。そんなことをしていたら、最終的に自分たちの首を絞めることになる』とのこと。その話に私も納得した」と説明するとともに、「中国の観光業の発展を阻害している致命的な要素は、観光地がどこでも入場料を取ること、しかも毎年値上がりしていることだ」と指摘した。

 記事は、30年前に比べて中国の観光業はハード面でこそ進歩したが、ソフト面や人のモラルでなおも劣っていると解説。「やって来た外国人が、お金を使おうと思わない」、「中国文化にロマンを抱いてやって来た外国人が中国で残念な体験をしてしまえば、もう来なくなる。今日の現実は、完全にわれわれが作り上げたものなのだ」と結んでいる。

 「中国に来て観光をしない」という問題の対象は、外国人観光客だけではない。今の国外旅行ブームが一段落すれば、きっと中国人の間でも国内旅行の価値を見直す「ディスカバー・チャイナ」の流れが出てくるはず。中国の観光業界が「観光というものをちゃんと理解」できなければ、そのニーズを満たすこともできないだろう。(編集担当:今関忠馬) (イメージ写真提供:(C)dfkmyn/123RF)