唐沢寿明似なのに…キモい口説き文句にドン引き【シングルマザー妊活】

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【シングルマザー社長の妊活記 Vol.7】

 バツイチシングルマザー社長の杉沢志乃です。他人とは暮らせない性分なので、結婚には不向きです。だけど子供がもう1人欲しいのです。旦那もお金もいらないから、誰か「種」をください。

 基本的に誰かに子供を預けて飲みに行く事をしない私ですが、仕事となればイレギュラーな対応をせざるを得ない時があります。取引先のO氏とは知り合ったばかりですが、今後も関係を良好に保っておきたいお得意様の1人。そのO氏から「たまには飲みながら打ち合わせしませんか?」とのメールが。

「子供を預けられないので……」と断ったのですが、「そうですよね。ご無理は言えませんもんね」との返信が。
(それってご無理してほしいって言ってるようなもんだよなぁ)

 これがプレッシャーとなり、悩みに悩んだ末、祖母に娘を預けることにしました。O氏はこんな人です。

【スペック】
年齢:45歳
職業:会社経営
推定年収:800万円
結婚:未婚
外見:唐沢寿明をさわやかにしたかんじ

◆汚いお店でハイペースで飲み続ける男に早くも不安が

 そして当日。O氏行きつけのモツ焼き屋へ。カウンターにズラリと並ぶサラリーマンの背中。鳴り響く有線の演歌。良く言えばノスタルジック? 昭和レトロ? 悪く言えば暗く汚い店内。

 モツ独特の牧場のような匂いと煙が充満し、すでに一刻も早く外に出たい気分。しかしカウンターの奥に通されもう逃げることはできません。テーブルの下にあるボロボロのカゴにコートを入れるよう指示されるも、私の20万円のムートンコートを入れる気にはどうしてもなれず、結局抱えたまま飲むことに。

 私は普段、子供がいることで飲める時間が限られているため、かなりのハイペースでお酒を飲むのですが、O氏もお酒が好きなようで、私と同じペースで飲み進めていました。大丈夫なのかしら……?

◆気持ち悪い口説き文句にドン引き

 2軒目。近くのこれまたレトロなお店に入りました。ここではO氏と向かい合うように座ったのですが、O氏は私の目をじっと見つめ、「こんなにキレイな人が、なんで4年もしてないんだろう」と呟きました。

(大きなお世話なんですけど!!!!)

 そう思いつつ、「Oさんこそモテそうなのになんで独身なんですか?」とお世辞たっぷりで言うと、「僕の理想が高すぎなんだと思うよ。選び過ぎなんだよね」と、まるで「僕に欠点はないんだけどね」とでも言いたそうな口ぶりです。

「じゃあどんな人がタイプなんですか?」と婚活パーティーの一場面のような質問をしてみると、突然「あなたです」と私の手を握り真っ直ぐに見つめながら言うのです。私は、目の前のお酒を飲むふりをしてさりげなくその手を払いました。

 酔いが回り急に口説きモードのスイッチが入ったO氏は、その後も言葉巧みに口説くのですが、その中に私の娘に関するワードが一つも入っていないことに気が付きました。O氏は私がシングルマザーであることを忘れているようです。

 そういえば誘う時もそうでした。「子供を預けて二人で飲みたい」とアピールするような人です。シングルマザーを口説くのに、相手の子供や生活を無視して自分の気持ちばかりぶつけてくるO氏に対し、急に嫌悪感を抱き始めた私は、時間を理由にそそくさと帰宅しました。

 私が欲しいのは「種」だけですが、妊娠するまでに少なくとも数回は子作り行為をしなければいけないことを考えると、やはり嫌いな人とはできません。種は欲しいけど、その前に人間性も需要なんだなと改めて実感したのでした。

<TEXT/杉沢志乃>

【杉沢志乃(すぎさわしの)】
35歳。東京生まれ。ナンバーワンホステス時代に独学で行政書士試験に合格。25歳で小説『キャバクラ嬢行政書士の事件簿』(ゴマブックス)を出版し、翌年『キャバギョ!』でDVD化。以後シリーズ3まで出版。映像メーカー広報部を経て、現在は女性向け映像メーカー「ラ・コビルナ」の代表取締役社長となる