使い心地はどう? 新型MacBook ProをAirユーザーが使ってみた感想

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Retina解像度のMacBook Airを待望していたところに登場したのが、Airとほぼ同じ厚さ・重さになった新型のMacBook Pro 13"です。今回アップルから13インチのTouch Bar搭載モデルをお借りし、MacBook Air 13"ユーザーの筆者が1週間試用してみた感想をお届けします。

新色「スペースグレイ」の新鮮味


MacBook Pro 13"を使ってみて、まず感じたのがディスプレイの鮮明さです。これは解像度が2560 x 1600と、13インチAirの1440 x 900に比べて格段に高精細になっているため。

それだけでなく、ディスプレイの発色も段違いです。MacBook Pro 13"では、標準的なRGBに比べて25%多く色を表現できるというP3カラーにMacとして初対応。「P3対応」とスペックで説明されてもあまりピンときませんが、実際に画面を見てみると鮮やかさは従来のMacBook Proに比べても一目瞭然です。解像度や発色がMacBook Airに比べて格段に向上し、視認性がかなり高められています。

またカラーリングも印象的です。従来のMacBookシリーズは長らくシルバー1色、MacBook Airもシルバーのみだったわけですが、12型の新MacBookから複数カラバリに。そして、新型のMacBook Proもそれを引き継ぎ、シルバーに加えて「スペースグレイ」を選べます。「デザインを頻繁にいじらない」というのはアップル製品の良さでもありますが、製品を買い替えても色が同じで物欲が満たされない面もありました。MacBook Proのスペースグレイは、シルバーに慣れたMacBook Airユーザーの目にかなり新鮮に映るのではないでしょうか。

心配していたキーボードとUSB-C、実際の使用感は?


一方で筆者が心配していたのはキーボードです。キーストロークがとても浅いため、浅いキーボードに慣れていない筆者としては、快適に打鍵できるか不安でした。

実際に使ってみると、スコスコと特徴的な打鍵音が少し大きいと感じるものの、快適にタイプできます。12型MacBookと同じバタフライ構造のキーボードを採用するにも関わらず、12型MacBookに比べて「押し込んだ」感があります。また筆者は、MacBook Air 13"(Early 2015)の、キーの端を押すとキー自体がぐにゃりと傾く、ぐらつきのある打鍵感に最後まで慣れることができませんでした。一方のMacBook Pro 13"では、タイプしていてキーがぐらつくことがないので、打鍵の質感が向上した印象です。

またトラックパッドの使い心地も良くなりました。MacBook Airは構造的に、トラックパッドの奥の方にいけばいくほど、強い力で押し込む必要があり、長く使っていると指が疲れる場合がありました。一方のMacBook Proでは、感圧センサーと触覚フィードバックによる機構を採用。これにより、トラックパッドの奥の方でも端のほうでも、どこでも同じ力でクリックすることができ、指が疲れません。

次に懸念していたのが、USB-Cの全面採用です。新型MacBook Pro 13"では、USB-AやHDMI、Display Portが廃止され、4つのUSB-C(Touch Barなしモデルは2つ)に統一されています。

USB-Cではない従来の周辺機器を使うには変換アダプタやハブを噛ませる必要があり、1週間の試用ですら不便に感じる場面が何回かありました。ここは弱点とも言えますが、USB-C対応製品は続々増加中。長く使うことを想定すれば、USB-Aこそが邪魔になるとも考えられます。少し先の未来を見据えていると考えれば、度々ある不便さも我慢できる範囲です。

TouchBarは今後の活用に期待


なお新型MacBook Proの上位モデルには、従来のファンクションキーの位置に、横長の有機ELタッチディスプレイ「Touch Bar」を搭載しています。キー配置の自由度がない物理ファンクションキーに比べて、使わないキーは隠し、使うキーだけを表示するなど、ソフトウェア的に制御できる点が利点。スマートフォンから物理キーボードを廃し、全面フルスクリーンに置き換えた初代iPhoneに通じる、アップルらしい発想の機能とも言えます。

また、Touch Barの横には指紋センサーのTouch IDを搭載。iPhoneと同じように触れて押し込むだけで、長いパスワードを入力せずにロックを解除可能。またApple Pay決済の認証にも利用できます。

現時点ではTouchBarに対応するアプリが少なく、Touch Barを活かせる機会は少ないと感じるのが正直なところ。とは言え、物理キーに比べて操作の自由度が格段に向上するだけに、対応アプリ次第、あるいは活用方法の知識が蓄積していけば、大化けする可能性もありそうです。