事業承継を成功させるポイントは早期の検討

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日本の中小企業は、施設だけでなく、人材においても交替の時期を迎えており、事業承継が大きなテーマとなっています。有形資産に加え無形資産も存続させていくためには、早期から承継を検討していくことが重要です。

創業社長と二代目社長の意識のズレ

私が実際に経験したことで、こんなことがありました。
創業社長さんと二代目社長さん、2人同時にお話を聞いていたときに、二代目社長が「あっ、あれを始めたのはそういうことだったのか」と何度も大きくうなずいたのです。

会社の歴史の承継も必要

二代目社長のなかには、「なぜ、こんなに事業を広げているのか? 一体なにが家業のポイントなのか?」といった疑問があったようで、初代社長さんが話す会社の沿革を聞いて初めて「そうだったのか」と納得できたというのです。
初代社長さんのほうも「なんだ、お前、それ知らなかったのか。それは悪いことしたなあ」といって、多角経営化した理由などを丁寧に話して聞かせていました。

事業承継は一筋縄ではいかない

事業承継は、安定した経営を行うために有形資産を後継者に集中させる必要があります。
しかし、それには一筋縄ではいかない煩雑な作業があります。
自分の子どもに家業を譲るにしても、兄弟がほかにいたら、遺産相続上不公平にならないように調整をしなければなりません。

無形資産の承継までは手がまわりにくい

それによって後継者の自社株持ちぶんが不足してしまう場合は、第三者から株式を買い上げることもしなければいけませんし、そのための資金も必要になってきます。
兄弟がいなかった場合でも、多額の相続税がかかる可能性があるので、資金等の対策をしなければいけません。
この部分だけでも、相当疲労しますから、無形資産、知的資産の承継まで手がまわらないこともしばしばです。

個人の強みの承継も大切

しかも、無形資産の承継は、法律的な話ではありませんから、コレと決まったやり方がありません。
例えば、社長個人が持っている強み。
いわゆる社長のキャラクターを承継することは難しいでしょう。
しかし、「これは先代社長の個人的なものだから」といって承継を諦めてしまうと、そこからつながっていった会社の無形資産はつながらなくなってしまいます。

社長のキャラクターを承継する方法

確かに個人のキャラクターを受け継ぐことは至難の技でしょう。
しかし、やり方はあります。
例えば、社長のキャラクターや魅力を分析し、有形無形含めてすべて洗い出し、整理することで、一つひとつの承継を検討することで可能性が見えてくるでしょう。

部下に承継させることも考える

二代目社長が受け継げるものは受け継ぎ、自分のキャラクターでは無理だと判断できるものは、信頼できる部下などに承継させて、会社の資産として存続するよう、どこまでも努力するほうが、その後の経営を楽にしてくれるでしょう。

事業承継は早期からの検討が重要

そのためには切羽詰まったギリギリのタイミングではなく、早い段階から検討していくことが重要です。
事業承継以前の経営でも役立てることができるうえ、承継したあと、後継者の経営戦略を立てるときにも役立ちます。
事業承継を成功させるカギは透明資産の承継です。
それはつまり、透明資産を見つけ、後継者に譲り渡す作業でもあるのです。

【まとめ】

・事業承継では、目に見えない無形資産まで承継することが大切です。
・承継作業は煩雑で、無形資産の承継までは手がまわりにくいのが現状です。
・無形資産まで承継するためには、早い段階からの検討が重要になります。
★目には見えないながらも会社を支えている大切な無形資産。これを承継するためにも、早い段階での引き継ぎを検討されてはいかがでしょうか。

参考図書『社長! 「透明資産」に気づけば資金繰りが好転します。』東邦出版株式会社 (2016/11/1) 著者:小山範之