日本の安倍晋三首相は再三「新たな成長」を促進すると表明し、日銀の黒田東彦総裁はさらに日本経済の回復の兆しを深く実感していると言うが、日本の2016年度第1-3四半期の経済成長率は0.5%、0.0%、0.3%のみとなっている。写真は東京。

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日本の安倍晋三首相は再三「新たな成長」を促進すると表明し、日銀の黒田東彦総裁はさらに日本経済の回復の兆しを深く実感していると言うが、日本の2016年度第1-3四半期の経済成長率は0.5%、0.0%、0.3%のみとなっている。第4四半期に喜ばしいデータを記録したとしても、経済成長率は1%未満で推移することになる。日本の経済学者、慶應義塾大学の金子勝教授は、好景気は表面的な現象に過ぎず、日本のデフレ脱却は今後も難航すると判断している。経済日報が伝えた。

安倍首相は政府の主な目標を、新年度予算の国会での早期成立とした。予算には経済発展を促進する多くの具体策が含まれるからだ。新年度の予算は過去最大の97兆4500億円に達し、新技術の普及、道路・港湾などの公共事業、高齢者福祉・保育産業、農業・畜産業・漁業の発展などを重点的に支援する。しかし政府が力を入れるなか、経済界が慎重になっていることにも理由がある。予算と比べ、日本の財政収入が大幅に不足しているからだ。新規国債発行額は34兆3700億円で、つまり財政支出の3分の1を借金で賄うということになるためだ。日本の国債・地方債の総額は、GDPの2倍の1000兆円以上に達しており、これは次の世代が負担していくこととなる。

アベノミクスが始まりすでに4年弱。大企業の利益は記録を更新し続けているが、日本企業の9割が中小企業で、70%の労働力を雇用している。大企業の利益の大半は内部留保となり、社員には分配されない。そのため世帯の消費支出は増えておらず、消費者物価指数が9カ月連続で低下している。これはGDPの7割を世帯の消費支出で賄っている日本経済にとって、原動力が深刻なほど不足していると言える。

国際協力銀行の調査によると、日本の製造業の海外生産が占める割合は35.6%に達し、2019年には38.5%に達する見通しだ。数年前に懸念されていた産業空洞化が、既成事実化している。雇用データを見ると、2016年11月の雇用者数は5733万人で、4年間で250万人増加した。これは安倍政権が成果を誇るための格好の材料になっている。ところが分析すると、増えた雇用の多くがパートタイマーや再雇用などの非正規雇用で、ほとんどが低所得層だ。また人口減と労働力の不足を理由に、企業は従業員の配偶者への生活補助を縮小し、年金支給開始年齢を60歳から65歳に引き上げた。

日本経済に影響を及ぼす重要な要素は、世界経済情勢だ。原油や鉱産物といった資源の輸入価格は、日本経済にとって極めて重要だ。国内市場が過度に飽和化し、企業は製品の輸出と対外投資によって発展を維持しなければならない。安倍首相は就任以来、法人税を37%から29.97%に段階的に引き下げたが、自動車などの製造業の生産能力の半分は、アジアや北米に置かれている。TPP離脱を宣言した米国のトランプ大統領は先ごろ、トヨタ自動車を名指しし「メキシコの工場を米国に移すか、高額の関税を支払うかだ」と警告した。トランプ政権の対日経済政策は、日本経済の動向に影響を及ぼす重要な要素だ。しかし安倍首相が先ごろトランプ大統領と会談した際に、米国側は政策を明確に示さなかった。

アベノミクスは「3本の矢」で日本を4年間支えてきたが、うち金融政策は銀行をマイナス金利時代に陥らせた。日銀が中心となり株式市場に資金を注入し、確かに株価を引き上げることができたが、1年以内に物価を2%引き上げデフレから徹底的に脱却するという目標は、3年経った今も実現されていない。フレキシブルな財政は、経済刺激を目的としていたが、結局は東日本大震災の復興再建と福島第一原発事故の廃炉、賠償などの費用を賄うだけだった。3本目の矢、すなわち構造改革を中心とする成長戦略は、日本の経済成長の要であるが、今もなお遅々として進んでいない。(提供/人民網日本語版・編集YF)