スペインでひと皮むけて帰ってきた安藤。J選抜戦では後半から登場し、チーム4点目をマークした。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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[NEXT GENERATION MATCH U-18]日本高校選抜4-0 U-18 Jリーグ選抜/2017年2月18日/日産スタジアム
 
 日本高校サッカー選抜とU-18 Jリーグ選抜が対戦した「NEXT GENERATION MATCH」。その高校選抜のメンバー入りを、FW安藤瑞希(長崎総科大附/2年)はスペインで知った。実を言うと「俺、選ばれてたんだ!」という、寝耳に水の選出だったそうである。
 
 スペインにいたのは、U-18日本代表の一員として現地で開催された『コパ・デル・アトレティコ』に出場していたため。カナリア諸島、ベルギー、スペインのU-18代表と対戦した日本は3戦全勝で大会を制覇。到着当初は日本をなめているような雰囲気があったという現地の雰囲気を一変させた。

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 安藤自身はカナリア諸島戦で途中出場ながら終了間際に劇的な決勝点を決め、以降はベルギー戦、スペイン戦と、連続でスタメン出場。アグレッシブなプレーを披露し、代表チームの秋葉忠宏コーチや木村浩吉団長から「ザ・高校サッカーという感じの今どき珍しいタイプの選手」「スペインの選手も露骨に嫌がっていた」と賞賛される活躍を見せた。安藤自身も「得意とするプレーが通用して自信になった」という遠征を経て、ひと回り大きくなっての帰国だった。
 
 そして、今回の高校選抜である。「先週まで一緒にやっていた頼りになる仲間たちがみんな敵になっていた」と苦笑するように、対戦する機会を得たJ選抜の主力はDF橋岡大樹(浦和レッズユース/2年)ら代表の僚友たちだった。だが、安藤の真骨頂は恐れ知らずの勇猛果敢さであり、この日もそれは健在。ハーフタイムを挟んで後半開始から登場すると、怯むことなく敵陣に突っ込んでいった。
 
 積極的なドリブルでのトライやスペースへのランニングを繰り返すと、後半32分にMF松本泰志(昌平/3年→サンフレッチェ広島)のクロスにワンタッチで合わせて4点目のゴールを奪い取る。持ち前の「ゴリゴリ行くプレー」に加えて、クロスに対してDFを外してダイレクトで合わせるプレーも安藤の武器。それがよく出たワンシーンだった。
 
「自分はヘタクソなので、気持ちで負けないようにしたい」と口癖のように繰り返すあたりを含め、そのプレーぶりは日本代表FW岡崎慎司(レスター・シティ)と少し重なるものがある。
 
 2017年、高校でのラストイヤーを迎える、怖いもの知らずでド根性も備えたストライカー。Jクラブからの注目度が高まるなか、当然プレッシャーも出てくれば、対戦相手からの警戒も深まっていくはず。それに対して安藤の成長力が上回るかどうか。まずは高校選抜というステージにおいて、ひとつ上の学年の選手たちと競い合いながら、欧州のDFと対峙する経験がどう活かされるのか、楽しみに見守りたい。
 
 
取材・文:川端暁彦(フリーライター)